タバコの吸い殻や使用済みの乾電池、ぼろ布、堆肥らしい土
韓国軍の合同参謀本部(合参)の31日までの分析では、2個一組の風船には重さ10キロ程度の袋がくくりつけられ、なかには空中で袋を破裂させ中身を飛散させるためのタイマー付きの装置があるものも見つかった。
軍担当の韓国メディア記者が言う。
「北朝鮮は5月26日に出した国防次官談話で『数多くの紙くずとゴミが近く韓国に散布され、これを集めるのにどれほどの努力が必要か、(韓国側は)直接体験するようになる』と予告しており、実行に移した形です。
袋の中にはタバコの吸い殻や使用済みの乾電池、ぼろ布、たい肥などが見つかりました。人間の排泄物もあると報じたメディアもありましたが、当局は確認していません。それでもゴミとしか言えないものが送られてきたことは確かです」
合参は29日、「このような行為は国際法に明白に違反する。わが国民の安全を深刻に脅かす行為だ」と北朝鮮を非難する声明を出した。
韓国にいる脱北者らが北朝鮮体制の打倒を訴えるビラを風船に付けて散布
これに対して北朝鮮は同日夜、金正恩総書記の妹の金与正氏が「自分たち(韓国)がいつもやっていたことをわれわれが少しやったことで、なぜ騒ぎ立てるのかわからない。われわれは今後、韓国の連中がわれわれ(北朝鮮)に散布するごみを数十倍にして返す」と反論する談話を出した。
「北朝鮮は、韓国にいる脱北者らが北朝鮮体制の打倒を訴える政治宣伝ビラを風船に付けて散布することに激しく反発し、こうしたビラを『ゴミ』と罵倒し、“表現の自由を守る”として散布を止めない韓国政府を非難してきました。
今回、金与正氏は談話で、南のビラ散布が表現の自由の範疇なら自分たちの行為も同じだ、と主張しています。韓国から今後もビラ散布が続くことをやめさせるのが狙いでしょう」(南北関係が専門の韓国紙記者)