ドタキャンの理由は日本で広がる感染症?

3月21日、2026年開催のサッカーW杯北中米大会のアジア2次予選で、日本代表と北朝鮮代表が国立競技場で激突し、1-0で日本が勝利。

W杯に向けて一歩前進したが、その試合当日の朝、3月26日に平壌で開催予定だった同カードについて、北朝鮮側から開催困難であることがアジアサッカー連盟(AFC)に伝えられ、4日前の今日になっても、開催地が決まっていない。

26日に行われた日本代表VS北朝鮮(外部提供)
26日に行われた日本代表VS北朝鮮(外部提供)
すべての画像を見る

21日付の北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、日本で致死率が約30%と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とはしかの感染が拡大しているとの記事を掲載していた。

「北朝鮮はこれらの感染症の水際対策として日本からの入国を全面禁止する措置を取ったとみられています。

2020年からのコロナ禍でも北朝鮮は厳格な入国制限を行ないましたが、それは医療体制が劣悪な北朝鮮でコロナが拡大すれば政権を揺るがすほどの医療危機が起きると金正恩体制が恐れたことが理由。今回も同様の理由があるのかもしれません」(北朝鮮の医療事情に詳しい韓国政府関係者)

だが、代表チームが試合のために日本を訪れている最中、そして平壌開催予定日の5日前になって「平壌へ来るな」と言い始めたのはいかにも唐突だ。

「1月時点で劇症型溶血性レンサ球菌感染症や、はしかが日本で感染拡大していることは日本国内では広く知られていました。それをなぜ今になって言い始めたのか。

ひとつの可能性として、北朝鮮代表が来日した後の19日午後から、韓国メディアが英国メディアの報道を引用する形で一斉に日本での感染拡大を報じ始めており、それで気づいて怯え始めたということも考えられます。ただ、それまで北朝鮮が日本国内の事情を掴めてなかったなんてことがあり得るのか……」(大手紙外報部記者)