ナリタブライアンVSシンボリルドルフ、三冠馬レース限定するならどちらが強いか

──クラシックでの最初の対戦は日本ダービー。岡部さんがエアダブリンに騎乗して5馬身差の2着でした

「もう『やっぱりね』という感じで、こっちは精いっぱい頑張っての2着だからね。5馬身も離されちゃったからね。考えてみれば、2着でしょうがない2着だった。一段クラスが違う馬という存在だったよね」

──ナリタブライアンの秋初戦となった京都新聞杯でもエアダブリンに騎乗して3着。2着に敗れたナリタブライアンとは3/4馬身差でした

「ナリタブライアンが負けたのは、やっぱり久々というか夏の調整があったから……。別にこれで弱いなとは全然見ていなかった。やっぱり夏の調整不足だったのかなというだけで、おそらく次には立て直してガンと来るだろう、と。負けて強しという感じだよね」

写真はイメージ。画像/shutterstock
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──菊花賞もエアダブリンで臨み、7馬身+3/4馬身差の3着でした

「もうどうしようもないんだよ(苦笑)。三冠を取るというのは凄いな、と。そう簡単には三冠というのは取れないからね。やっぱり能力があり、運もありで(取れるのが三冠)。『ああ、やっぱり来たね』というのが正直な感想。三冠を勝つというのは容易なことじゃないからね。うん」
 

──ナリタブライアンのまえの三冠馬は、岡部さんしか手綱を取っていないシンボリルドルフです。2頭の共通点や相違点を挙げるとしたら

「ナリタブライアンは、何馬身も離して勝つというのはあるけど、見た目はそんなに派手じゃないイメージ。目立たないタイプというか……。でも、レースをすると強いんだよね。そこはルドルフとは違うタイプ。ルドルフは天才というか、最初から(頂点に立つために)つくられた馬だからね。それこそ計算しつくされた馬だから。その辺の違いがあるよね。

ブライアンも割と自由にというかコントロールが利くタイプの馬だった。レースを上手にする、お互い同じようなタイプの馬だった。どっちかというと、そこは似ている。それこそ(ルドルフと)一緒にやって(対戦して)みたかった、という思いが強かった馬だよね」

写真はイメージ。画像/shutterstock
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──三冠レースに限定するならルドルフとブライアンのどちらが強いと思いますか

「(主戦を務めた)俺が思うのは、『そりゃあルドルフのほうが強い』に決まっているじゃないの(笑)。ナリタブライアンには乗ったことがないんだし」

──愚問でした。兄弟でGⅠを制したことについては、どのような思いがありますか

「やっぱり、サラブレッドの血の凄さっていうか……。例えば、生産者にしてみればすごく励みになる話だよね。そうそうないからね。ルドルフのきょうだい(兄弟姉妹)だってGⅠを勝っていないし」