「主犯格は何が狙いなのかかわからない」
長女は被害者家族だが、捜査本部からは接触がなく、事件の情報に飢えていると自ら打ち明けていた。同居している内縁の夫と一緒に、両親の亡骸がある栃木に一緒に行かないのか尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「警察からいつ連絡来るかわからないですから。(那須へは)一回も行ってないです。これから行こうかなという感じですが、正直、(主犯格が)捕まってないじゃないですか。だからちょっと、怖いというか、何が狙いかわからないですし…」
宝島さん夫妻は事件前日の夜、上野から第三者の車に乗って品川区に移動し、新規店舗用の物件探しに出かけたことが判明しており、その話題になると、長女はこういぶかしんでいた。
「上野から乗っているんですね。(じゃあ同乗したのは)上野の関係者ですよね、絶対に。『黒幕Xの正体』みたいな記事を読んだんですけど、警察の言う、Xが誰なのかとか、事件自体、ちょっと映画っぽいじゃないですか。実際にこんなことってあるの?って。私も今も実感わかないくらいなんで」
長女もそのXが自分の最も身近にいるとは思いもよらなかったに違いない。しかし、捜査本部の包囲網が狭まるのと呼応するように、客引きに絡んでライバル店と揉める“尖兵”的役割の関根容疑者と、「指示役」として逮捕された“キャッチ”の佐々木光容疑者(28)がガールズバーなどで交遊していたことなどが取材でも浮き彫りになり、関根容疑者が「X」としてマークされていたことも事実だ。
長女とその後、数回連絡をとると、思いあたる節もあったのか「関根が疑われているのでしょうか?」と不安気な様子をみせていた。