かつては大手事務所“推し”の子役

事件に使用された凶器を手配し、乗用車を提供した平山綾拳容疑者(25)は若山容疑者について「渋谷のクラブで知り合い、飲み仲間になった」と供述している。

若山容疑者はかつては大手芸能事務所に所属し、仮面ライダーの子役などを経て、2014年にはNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」に出演。主人公・黒田官兵衛(岡田准一)の幼少期を演じた後、再び主人公の嫡男・万寿丸役で登場するなど間違いなく“推し”の子役だった。

亡くなった宝島夫妻(知人提供)
亡くなった宝島夫妻(知人提供)
すべての画像を見る

同年3月2日には兵庫県姫路市の「ひめじの黒田官兵衛大河ドラマ館」前ステージで兵庫、大阪、京都3府県警が、車上ねらいや振り込め詐欺被害防止を訴える合同防犯キャンペーンを行い、若山容疑者もこれに参加した。

翌日の朝刊各紙の地方版には、若山容疑者がドラマの撮影秘話を披露したり、啓発グッズを来場者に配るなどしたという記事が掲載された。

また出身地の岐阜県美濃加茂市が同年に創設した「もっとみのかも夢大使」に他の4人とともに選ばれ、同月16日には藤井浩人市長から委嘱状を受け取り「もっと有名になって皆さんが美濃加茂に来てくれるようにアピールしていきたい」などと抱負を語っていた。

「もっとみのかも夢大使」だった若山容疑者(右)と藤井浩人市長 (左)市長SNSより
「もっとみのかも夢大使」だった若山容疑者(右)と藤井浩人市長 (左)市長SNSより

若山容疑者は、その後も片岡愛之助主演の花形歌舞伎でも重要な役どころを演じ、2015年制作の映画「ぼくが命をいただいた3日間」では主演に抜擢された。

都会育ちの小学6年生の少年が、父親の故郷の山村を初めて訪れ、祖父母や村の人たちとふれあい、伝統的な食文化から「食べる」「生きる」ことを学んでいく食育エンタテイメント作品で、父親役の高橋和彦、祖父役のでんでん、祖母役の松原智恵子などに混じって堂々と主役を張った。

2018年には福士蒼汰主演の映画「曇天に笑う」(本広克行監督)に3兄弟の末弟役で出演。初日舞台あいさつでは次兄役の中山優馬に「耀人は16年夏の撮影時から12~13センチぐらい身長が伸びた。次に会う時には身長が抜かれてると思うので、耀人の弟役をやりたい」にいじられる一幕もあった。