優れたフォーマットか? タレントのパワーか?
まず長寿番組のパターンとして、大きく二つにわけられる。
一つは番組フォーマットが優れており「偉大なるマンネリ」として出演者が変わってもフォーマットにのっとって続く番組。もう一つは中心となるタレントのパワーが長く継続していてメイン出演者は変わらないが、企画はどんどん変わっていく番組である。
前者のパターンに当てはまる典型は『笑点』(日本テレビ系列)『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系列)『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)といった番組、後者だと『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系列)『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系列)『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系列)がイメージしやすい。
双方によしあしはあり、前者のパターンは一度視聴者に定着してしまえば強いが、強固なフォーマットを変えることが難しく飽きられると立て直しがきかない。
後者はタイムリーに企画を投入できるので時代に合わせやすいが、タレントのパワーやキャラクターに依存するため、そのタレントの勢いが落ちるとこれまたどうしようもない。
『踊る!さんま御殿!!』や『マツコの知らない世界』は?
これもすべてかっちり分類できるかというとなかなか難しく、たとえば『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系列)や『マツコの知らない世界』(TBS系列)は明石家さんまやマツコ・デラックスがいないと成立しない番組だがフォーマットは決まっていて、司会者以外の出演者が次々変わっていくことで鮮度を保っている。ある意味ハイブリッド型である。
一方『行列のできる相談所』(日本テレビ系列)のように出演者も企画も流動的に変わっているようなパターンもある。番組開始当初とはやっていることも出ている人もまったく変わっていて、今はそもそも法律相談すらしていない。
それをどう組み合わせるかは番組ごとの匙加減によるが、「フォーマットの強さ」あるいは「タレントの強さ」を前提に「時代に合わせる柔軟性」をどう確保するかが重要ということである。