任天堂による異例の転売対策 

任天堂はスイッチ2の発売を前に、積極的な転売対策を講じてきた。

国内市場には、本体の言語設定を日本語のみとし、「国/地域」を「日本」に設定しているニンテンドーアカウントとのみ連携できる「日本語・国内専用版」と、16言語に対応し、ニンテンドーアカウントの「国/地域」の設定にしばりのない「多言語対応版」の2つを投入。

前者は後者よりも2万円安い価格設定としながらも、海外で使いにくくすることで、越境転売による国外流出を防止する構えだ。

また、発売日までに3回行なわれた公式ストアによる抽選販売では、「2025年2月28日23時59分時点で、Nintendo Switchソフトのプレイ時間が50時間以上であること」という応募条件を課し、同一人物による多重応募を阻んだ。

さらに賞賛を浴びたのは、任天堂がメルカリやYahoo!オークションおよびYahoo!フリマ、楽天ラクマといったCtoCプラットフォームの運営者から、スイッチ2の「不正出品」の防止に関する合意を取り付けたと発表したことだ。

不正出品の定義は明確にされていないが、これは転売行為が想定されているとみられ、「能動的な出品削除対応のほか、情報共有を含む連携体制の構築などの対策」(任天堂)としている。

本体と同時に発売する人気シリーズの最新作『マリオカート ワールド』
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なおも跋扈(ばっこ)する転売ヤー  

しかし、それでも任天堂は、スイッチ2の転売を封じることはできなかった。

グーグルで「スイッチ2」と検索すれば定価の2倍ほどで出品されている転売品と思しき商品が多数ヒットする。

そしてその多くは、任天堂が不正出品防止に関して合意した楽天ラクマと同じグループの楽天市場や、Yahoo!オークションと同じYahoo!ショッピングに開設されたオンラインストアで売られているものだ。

不正出品の防止に関する合意は、現時点では、これらのBtoCプラットフォームとは結ばれていないことになる。

さらに、XをはじめとするSNS上でも「スイッチ2お譲りします」という投稿が散見される。そうした投稿の多くは、取引手段として手渡しのほか、メルカリなどのCtoCプラットフォームを経由する方法が指定されている。

SNS上であらかじめマッチングした購入希望者にだけ判別できるよう、別の商品名で出品してしまえば、任天堂と合意した不正出品対策を掻いくぐれるというわけだ。