20年後の映画界がどうなっているのか想像できない
――今、間宮さんは30歳で、佐藤さんは54歳。間宮さんは佐藤さんの年齢になったとき、俳優としてどうなっていたいですか？
間宮 今から20年後は、映画、ドラマがどういう形態になっているかわからないですね。この間、AIタレントのCMを見たのですが、新人俳優かと思ったらAIで驚きました。全然わからなかったです。
すでにそのクオリティものが作れる世の中ですから、20年後……想像できないです。でも自分は映画が好きなので、映画という文化が盛り上がっていると信じたいですね。俳優として演じていたいと思います。
――映画のサブスク配信も含め、想像できなかった世界ですよね。でも映画『変な家』が、動画がきっかけになったように、ひとつのアイデアが自由に広がりを見せていくのはエンタテインメントのよさかもしれません。
間宮 最初に雨穴さんの20分くらいの「変な家」の動画を見たとき、ここからどういう映画に作り上げていくのだろうと想像できませんでした。だからこそ逆に興味を持ちました。
佐藤 『変な家』の映画化のきっかけがYouTubeの動画というのが珍しくて面白いと思いましたね。「いかにも今風っぽい」と言ってしまえばそれまでですが、みんなが「探し当てた」という感じがいい。このことは映画にとって、ある種の「力」になるような気がしています。
間取りからジェットコースター映画へ突き進んでいく!?
――完成した映画を観た感想を教えてください。
間宮 やはり間取りは誰にとっても身近なトピックなので「ここの間取りが変」という些細な異変が、ふだんの生活と地続きのまま謎めいた世界に連れて行かれる感じがよかったです。最初に観客の皆さんの心を掴んだら、もうこっちのものだくらいの勢いでラストまで一気に引っ張っていけるようなパワーを感じました。
佐藤 僕は、自分が出演していて、内容もわかっているのに、何度も恐ろしくて体がビクッとしました（笑）。一気に突っ走るアトラクションみたいな映画で「本当にあそこに行くの？」みたいな展開になっていきます。ジェットコースターに乗った気持ちで楽しんでいただきたいです。
『変な家』（2024）上映時間：1時間50分 ／日本
売れない動画クリエイターの雨宮トオル（間宮祥太朗）は、マネージャー（DJ松永）から購入予定の一軒家の変な間取りについて相談される。雨宮はミステリー好きの設計士の栗原（佐藤二朗）に、その間取りを見せると、栗原は間取りの不可解な点を指摘。恐ろしい仮説を引き出す……。同じ頃、死体遺棄事件が起こり、その事件はマネジャーが購入予定の家の近くだった。その関連性に気づいた雨宮と栗原は、謎の間取りの深みにハマっていく。
3月15日（金）より全国ロードショー
配給：東宝
公式サイト：https://hennaie.toho.co.jp
(C)2024「変な家」製作委員会
取材・文／斎藤香 撮影／恵原祐二
【間宮祥太朗】
ヘアメイク／三宅茜
スタイリスト／津野真吾(impiger)
衣装協力（全て税込価格）／ジャケット¥165,000、パンツ¥68,200/ANTOK(PR.ARTOS)、その他スタイリスト私物
【佐藤二朗】
ヘアメイク／今野亜季（A.m Lab）
スタイリスト／鬼塚美代子（アンジュ）
〈プロフィール〉
間宮祥太朗／まみやしょうたろう
1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。2008年俳優デビュー。2017年『全員死刑』で映画初主演。2018年NHK連続テレビ小説『半分、青い』2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』出演。その他の出演作は『帝一の國』（2017『殺さない彼と死なない彼女』（2019）『破戒』（2022）映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(2021、23)『ある閉ざされた雪の山荘で』（2023）。最新作はドラマ『ACMA：アクマゲーム』（2024年4月より放送）
佐藤二朗／さとうじろう
1969年5月7日生まれ。愛知県出身。働きながら96年に演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。30代以降、数々の映画やドラマに出演するように。監督作品は『memo』(2008)『はるヲうるひと』（2021）。主な作品はドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ（2011〜2016／テレビ東京）、『今日から俺は!!』(2018／日本テレビ)、映画『ザ・ファブル』シリーズ（2019、2020）映画『さがす』（2022）ほか。最新作は『あんのこと』（2024年公開予定）
