2023年度(1月~12月)に反響の大きかった記事をジャンル別でお届けする。今回は「インタビュー記事ベスト10」第2位、映画史上最大の問題作と呼ばれる『食人族』を叶井俊太郎氏がなぜ買い付けたのかに迫った記事だ。(初公開日:2023年5月6日。記事は公開日の状況。ご注意ください)
40年前の劇場公開時は興行収入15億円の大ヒット映画
――衝撃的なタイトルとポスターでしたが、『食人族』ってどんな映画なんでしょうか?
叶井 まず、南米アマゾンのジャングルに生息する「食人族」の生態を撮影しに行った男女4人のクルーが失踪します。彼らを探しに捜索隊が食人族の村を訪れたところ、白骨化した遺体を発見するわけですよ。で、撮影クルーが残した1本のフィルムを持ち帰ってそれを確認するんだけど、そのフィルムの内容がこの映画っていう感じです。
――なぜ40年前の映画を4Kリマスターで再上映しようと思ったのでしょうか?
日本初公開が1983年でちょうど40年前なので、日本公開40周年記念作品といえるじゃないですか。しかも4Kリマスターなので映像もハンパなくクリアですからね。公開するなら今しかない! しかも、5月5日の子供の日に食人族ってギャップがあっていいじゃないですか。R18+なので、子供は見れないですけど…。
――当時、この映画が公開されたときの反響はどうでしたか?
オレは高校1年生だったけど、この頃は「ジャンク」とか「モンド映画」がブームになっていて、その中で、人間が串刺しにされた『食人族』の映画ポスター見て「本物の食人族の映画だ!」と思い込んだのを憶えています。
当時付き合っていた彼女と映画館に行って「人間が人間をマジで食べるなんてヤバい!」とビビりながら興奮していましたね。彼女はずっと下を向いて見てなかったみたいで、映画終わりに行った喫茶店で別れ話をしたような気がする(笑)。
話全然変わるけど、当時はこの映画、興行収入15億円ですよ。大ヒットです。