卒業生・東村アキコのした仮装とは…
東村さんは、自身の卒業式当時の思い出を懐かしそうに振り返る。
「金沢美術工芸大学の仮装卒業式は昔から伝統的にやってるんですが、
私の時代もすごくて、私自身は手作りの全身うさぎの着ぐるみで出ました。
同級生は天井まで届きそうなロケットの中に入ったり
髪を爆発させてパジャマに炊飯器を抱えて火事から逃げてきた人を模したり、
ズボンの下で竹馬に乗って身長が2メートル60センチくらいになっている人も。
卒業写真を撮る時にはグラグラしないように学長の肩に手を乗せていました。
もうめちゃくちゃですよね。でも、その伝統が今も受け継がれてて嬉しいです」
東村さんの漫画にも登場していたように、この日の卒業式にも地元のテレビ局が取材に来ていた。昨年も取材していたという民放テレビ局のリポーターはいう。
「昨年はW杯・日本代表の三笘薫選手が話題となった、ライン上をギリギリでアシストしたときの写真を模した“三苫の1㎜”を表現した学生が特に話題となっていました。今年は能登地震で工場が被災し、出荷が一時停止してしまっていた水産加工品メーカー・スギヨの“ビタミンちくわ”になりきって『ビタちくをまた食べたいです』といっている学生が印象的でした。これぞカナビの仮装で、いわゆるコミケのコスプレイヤーやハロウィンの仮装との違いを感じながら毎年眺めています」
「本当は普通に袴を着たかったけど、カナビで袴を着るのは痛いんで(笑)。母に聞いたら、私の“みう”という名前の由来はファッションブランドの“MIU MIU”(ミュウミュウ)からきてるそうなんです。美大の高い学費を払ってくれた親への感謝の思いを込めて、MIU MIUの香水の仮装を作りました。作成時間ですか? 1日です(笑)」