失笑ものの言い訳を連発

報告書では、現職議員82人に加え、現職議員ではない選挙区支部長3人、8つの派閥・グループの代表者と事務総長ら91人が聴取対象になったという。

「現職議員82人と支部長3人はそれぞれ、安倍派と二階派の所属です。このうち安倍派の対象は79人で突出しています。一方、二階派は6人ですが、派閥の長である二階俊博元幹事長、武田良太元総務大臣ら大物議員が名前を連ねています。

このうち、安倍派の森まさこ氏については、ほかの議員とは違う対応が取られたようです。森氏の夫が聴取を担当した弁護士事務所の所属であるため、『公平性を担保するため』として夫の所属先とは別の事務所の弁護士が行ったとしています」(同)

二階俊博元幹事長(自民党ホームページより)
二階俊博元幹事長(自民党ホームページより)

報告書では、議員がキックバックを受けたことを認識していた場合、認識していなかった場合、それぞれのケースに応じてその理由を無記名で回答させている。

「名前が出ない」という安心感もあってか、議員側は、失笑ものの言い訳を連発しているのが記されている。たとえばキックバックを「認識していた」とする議員の回答で、「収支報告書に記載しなかった理由」として、

「秘書によれば(中略)派閥の事務局から、領収書はいらないと言われた」
「もともと記載したいという思いはあったが、派閥事務局からの記載不要との説明を受けて、記載しなくても合法なのだと認識した」

などと弁明している。キックバックを「認識していなかった」とした議員からは、「派閥の事務所から秘書に対し(中略)派閥からは記載しないでほしい、記載すると他の議員に迷惑がかかると言われた」などの回答があったが、なかには次ページのように生々しい現場のやり取りを答えた者もいる。