子育て支援のはずが「子育て増税」に

政府は、少子化対策として、児童手当の対象を高校生まで延長するといった拡充や、子ども3人以上の多子世帯の大学授業料無償化などを進める。そのため、2028年度までに3兆6000億円の少子化対策財源を確保したい考えだ。

そのうちの1兆円程度と想定されてているのが、今回、1人当たり月500円弱の負担が明らかになった「子ども・子育て支援金」で、2026年度から徴収が始まる予定だ。支援金は、26年度は計約6000億円、27年度は約8000億円、28年度は約1兆円と、段階的に徴収規模が増えることが見込まれている。

岸田文雄首相(本人Facebookより)
岸田文雄首相(本人Facebookより)
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首相が「1人あたり月平均500円弱」とした拠出額だが、実際は所得などによってばらつきが出そうだ。

朝日新聞(2月7日付朝刊)は、日本総研の西沢和彦理事の試算として「医療保険別の徴収額(労使合計)は、中小企業の会社員が加入する協会けんぽ638円▽大企業の会社員が加入する健康保険組合851円▽公務員の共済組合898円▽国保746円▽75歳以上の後期高齢者253円」と報道。

協会けんぽと健保組合、共済組合は労使折半のため、個人の負担は試算から半額になるというが、自営業者ら国保加入者の負担は、首相の言う「月平均500円弱」を超えそうだ。さらに、所得の高い人の負担額は大きくなる。