2023年度(1月~12月)に反響の大きかった政治記事ベスト10をお届けする。第10位は、岸田政権の支持率が低下する中、永田町に出回った「解散に踏み切るかもしれない」という怪文書などの真実に迫った記事だ。(初公開日:2023年10月4日。記事は公開日の状況。ご注意ください)

崖っぷちの岸田首相を“崖田首相”と揶揄する文書も

前総務会長の遠藤利明氏が岸田首相に臨時国会での冒頭解散を進言した――。

そんな怪文書が9月29日、永田町に出回った。文書では岸田首相のことを、内閣改造後も支持率が上がらず崖っぷちだからか、「崖田総理」と表現。

遠藤氏が“崖田総理”に直電し、「予算委員会で加藤鮎子こども政策担当大臣、土屋品子復興大臣の答弁は見られたものではない」と主張。総理は「補正を通してから(解散)」と返したが、話しているうちに遠藤氏の言葉を聞くだけになったという。

遠藤利明前総務会長(本人Faccebookより)
遠藤利明前総務会長(本人Faccebookより)
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遠藤氏は2021年の自民党総裁選で岸田陣営の選対本部長を務め、岸田首相誕生のために奔走した盟友だ。
たしかに、加藤氏は大臣就任後から政治資金収支報告書のミスや、親族への政治資金の還流疑惑が続出しており、土屋氏も「特定帰還居住区域」を「特定帰還移住区域」と言い間違えたほか、選挙ボランティアに報酬を渡していたとする疑惑を週刊新潮が報じている。

臨時国会に補正予算を提出し、予算委員会の審議で両大臣が答弁に立つことが増えれば、これらの疑惑について追及されるのは必至で、政権が倒れかねないと遠藤氏は思ったのだろう。そのため、臨時国会では補正予算の審議はせず、岸田内閣のボロが出る前に解散すべきと直言したと見られる。