ももクロとの別れ

――キング移籍後、『全力少女』はシングル『ミライボウル』のカップリングに、『オレンジノート』はデビューアルバム『バトル アンド ロマンス』に収録されることになる、と。そこの流れが正直よくわからないんですよ、なんでももクロがユニバーサルでメジャーデビューしてFKDさんがユニバーサルに入ったのに、シングル1枚だけでキングに移籍して、FKDさんがユニバーサルに残ることになるのかっていうのが。

うーん……どうなんすかね?

――あまり言えないヤツですか。

言えない話でもないんですけど、わからないっていうのが本音なんですよ。きっと何かがあったんだろうなとは思うんですけどホントにわからなくて。ただある日突然、「終わります」って言われて。

――ユニバーサルに送り込まれたばかりなのに。

「え、僕どうすればいいんですか? 帰ってくる? 帰らない? どっち?」みたいなのがあって。翌日『オレンジノート』のレコーディングだっていうときに、渋谷の汚い中華屋さんでスターダストのスタッフに添削してもらいながら歌詞を書いて、このレコーディングが終わったらももクロと二度と会わないんだーと思いながら録って。

翌週、新三郷かどこかのイベント(2010年6月6日、ららら新三郷“瞬”前売隊『フェスももLIVE』)で『オレンジノート』の初お披露目を見届けて、「じゃあね」って言って。あのときの早見あかりの捨てゼリフは一生忘れないですね。

――何を言われたんですか?

「ぜってー売れてやる!」って(笑)。

――ダハハハハ!

第3回に続く 

名曲『行くぜっ!怪盗少女』『走れ!』『全力少女』『オレンジノート』はどうやって生まれたのか?FKDが語るももいろクローバー聞き手:吉田豪_6

取材・文:吉田豪
写真:小山田恵太
サムネイル画像:Tommaso Boddi/WireImage/Getty Images