クール宅急便で食中毒事故のリスクも…

そして、遅配よりもさらに重大な問題が起こっているという。それがクール宅急便で送られる食材などの品質の低下だ。

「CDが乗る『クール車』と呼ばれるトラックは、荷台全体が冷蔵スペースとなっており、その中に冷凍庫が設置されています。しかし、CDは大量のクール便を積まなくてはいけないため、要冷凍の荷物が冷凍庫に入らないこともある。

そういうときは午前指定のものに限り、冷蔵スペースに置いてしまうことがあります。今は冬なので“解凍事故”は起きてませんが、夏にはどうなることやら……」(同)

ヤマト運輸の本社が入っている西新橋1丁目ビル(撮影/集英社オンライン)
ヤマト運輸の本社が入っている西新橋1丁目ビル(撮影/集英社オンライン)
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クール車に入りきらなかった荷物は業務委託者のドライバーに頼むことになるというが、その配達方法も杜撰だという。

「社内免許を持っていないとヤマトのトラックやクール車に乗ることができないので、委託業者の方たちは、自前のハイエースや軽バンでクールを配達するんですが、そういった車には冷蔵庫や冷凍庫といった設備がない。

でも、クール便には鮮魚やカニ、生牡蠣だって入っている。夏場は下手したら食中毒の事故だって引き起こしかねませんよ」(同)

クール宅急便の荷物も、配達に関する問題も山積みのCD。しかし、本社に振り回されているのはセールスドライバー(SD)も一緒だった。次回はSDの悲鳴を紹介する。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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