自民党と都民ファーストは今後も共闘?

そもそも、小池知事が自公と組んだ背景は何なのか。鈴木氏は「前出都議によると『2024年7月に行われる知事選を見据えているのかもしれません。小池知事が出馬するかはまだ明らかになっていません。しかし、出馬とすれば自民党と協調路線にして対立候補擁立を出さないようにしてもらう狙いがあるのではと話しています』と口にしていました」という。

「しばらくは自民党と都ファの協力は続くかもしれません。そのほうが自民党にとって好都合なので。というのも、自民党東京都連の衆議院議員は『岸田政権の影響によって2023年9月の立川市長選、10月の立川都議補選、11月の青梅市長選、と自民党は3連敗しました。東京都における自民党の組織力をこれ以上弱体化させないため、小池知事とは今後も協力関係をとっていくかもしれない』と話していました」

都ファという新たな“仲間”を加えたことにより、自民党の巻き返しは加速しそうではあるが、鈴木氏は「武蔵野市長選は僅差の勝利であり、やはり自民党の逆風は依然として強いと思います」という。

国会議事堂
国会議事堂

立憲が消費税減税に後ろ向きなワケ

次に立憲について聞くと、鈴木氏は「少しずつですが支持率は挽回してきています」と答え、より一層信頼を集めるために必要なこととして「与党が絶対にできない政策を立てればいい。例えば、消費税減税。自民党は財務省や厚労省など霞が関と親密なため、消費税減税は絶対できません」と説明。

時事通信が2023年11月に発表した世論調査によると「消費税減税に賛成」(57.7%)という回答は5割を上回るなど、消費税減税を求める国民は多い。ただ、立憲の泉健太代表は2023年11月下旬、都内の講演に出席した際に消費税減税について「選挙の政策はその時の経済状況を見て判断する」と発言するなど、後ろ向きな姿勢を見せている。

自民党には打ち出せず、国民が望む消費税減税を掲げない手はないように思える。しかし、現実には消費税減税を前面に押し出さない背景があり、「ある立憲のベテラン議員は『泉代表は党内の重鎮である野田佳彦元総理や岡田克也氏などに気を遣っている。野田氏らは財務省にも近く消費税は触るべきではないと考えているため、泉代表はその決断ができない』と言っていました」という。立憲も自民党と同じで、官僚に配慮するあまり、国民が望む政策を推進できないようだ。