菅氏には「派閥のおかげで首相になったんだろ」の声も
「安倍派は解散すべきだ」、「『隗より始めよ』で、まずは岸田派から解消してほしい」。
16日に開かれた政治刷新本部の会合では、若手・中堅議員らが相次いで、岸田文雄首相ら党幹部に向かって派閥解消を訴えた。
「会合に参加した議員は100人以上で、首相が3時間にも及ぶ党の会議に出席するのも異例。派閥解消を訴える議員とそうでない議員の割合は半々ほどだったそうで、まるで『派閥派』VS『脱派閥派』の様相でした」(全国紙政治部記者)
「派閥解消論」の議論をリードしてきたのは、菅義偉前首相だ。
菅氏は11日に初開催された政治刷新本部で、岸田文雄首相のほか、茂木敏充幹事長など派閥の領袖に加え、安倍派など各派閥の議員の前で「派閥解消をスタートラインとして進める必要がある」と発言。
これに呼応するように、菅氏に近い三原じゅん子氏や小泉進次郎氏ら無派閥議員も派閥解消に踏み込んで発言。「予想以上に菅さんや無派閥議員が強気だ」(自民党関係者)と、党内に驚きを与えた。
菅氏はもともと、自身の首相の座を奪った格好となった岸田氏に対して辛らつだ。「何も決められない」と見下していただけに、派閥に支えられている岸田首相を尻目に、自身が「脱派閥」で存在感を見せたいとの思惑もにじむ。
だが、そんな菅氏に対しても、あきれの声があがる。
「菅さんだって、総裁選では二階派や細田派(当時)など、派閥の支持を受けられたから首相になれた。その後も無派閥で党内基盤が弱い自身の足元を固めるために、派閥均衡の人事をしていたのに」(同)