政権交代で立憲が足りないもの

最後に政権交代を目指すうえで立憲に足りていない要素を聞くと「したたかさ以外にありません」とキッパリ。

「1993年に政権を奪取された自民党は翌年、対立が目立っていた自民党・社会党・新党さきがけと手を組み、“自社さ連立政権”という考えられない組み合わせで政権復帰しました。自社さ連立政権では、自民党は議員数が一番多かったのですが、社会党の村山富市氏を総理として担いで裏方で支える、という“したたかさ”を見せました。野党は立憲の議員数が一番多く、野党結集のためにかつての自民党同様に立憲がバックヤードに回り、他の野党を前に出してまとめる“したたか戦法”があってもいいかもしれません」

続けて、「政治に大きな2つの勢力が緊張感を持って対立することで初めて、権力は国民の声を丁寧に聞きます。今年の野党が果たすべき責任は大きい」と語気を強めた。裏金問題が発覚した幹部議員の立件が見送られるなど、もはや政治の歪みは禁じ得ない。もう一度お灸を据えるためにも野党、とりわけ野党第一党の立憲は例年以上に存在感を見せなければいけない。

取材・文/望月悠木