共産はイメージ刷新のため女性代表起用の可能性
そして共産党でも1月15日から始まる党大会で、志位和夫委員長が24年間にわたって維持してきた体制から、田村智子政策委員長に代表が交代する説が浮上してきている。
共産党では党首を党員による直接選挙で選ぶのではなく、中央委員会によって決定する民主集中制を取っている。これに対して昨年、党首を直接選挙で選ぶ「党首公選制」を求める主張が党内から相次いで出たが、その党員を共産党が除名処分としたことも話題となった。
党内の波紋を抑えるため厳しい対応を取ったかたちだが、志位委員長の体制が長く続き過ぎていることへの批判が党内からも出てしまった事態は無視できるものではない。そうしたイメージを刷新するために、女性の田村氏の代表起用に白羽の矢が立ったわけだ。
実際に共産党は昨年6月、参議院議員として活動してきた田村氏を次期衆院選に擁立して、衆議院議員に鞍替えさせることを決定。当時から「志位氏から田村氏に代表を交代する布石だ」(永田町関係者)と囁かれていた。共産党で初の女性代表が誕生するかどうかが注目されている。
このように、与野党各党で党首交代が取り沙汰されるなか、最も注目されるのが自民党総裁選だ。
支持率が10%台にまで低迷し、さらに裏金問題の捜査も待ち受けている「泣きっ面に蜂」状態の岸田首相だが、4月28日には細田博之前衆院議長が死去したことに伴う、衆院島根1区補選の実施が予定されている。
しかもこの4月補選、裏金問題を受けて辞職する議員が今後、続出した場合は、選挙の数が増えて「裏金補選」となってしまう可能性もある。そうなると、岸田政権や自民党にとっては厳しい選挙戦を強いられることになり、岸田首相のままで補選に臨むのかも含めて自民党では選択が迫られることになる。
そして、6月には通常国会の会期末、解散総選挙をするか否かを岸田首相が決断する、総裁選前の最後のタイミングがやってくる。この6月には所得税などの減税も行われるが、自民党総裁選で「岸田おろし」が本格化する前に、思い切って岸田首相が解散に打って出るのかが注目される。
さまざまな思惑のもとで与野党トップの顔ぶれが一新することになるかもしれない2024年。
ただ、いずれが党の顔になろうと、望まれるのは国民生活を豊かにするための議論であり、政治だ。くれぐれも国民を置いてけぼりにするような権力闘争に明け暮れることがないよう、政治家の方々には注意してもらいたい。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班