暴露に動揺する高木氏、飲み会で「パンツ」が話題になると……
「派閥からかつて、収支報告書に記載しなくて良いと指示がございました」「はっきり申し上げます。(派閥から)『しゃべるな、しゃべるな』。これですよ」
国会閉会日の13日、今回の問題を受けて防衛副大臣を辞任することになった宮澤氏は、記者団に囲まれると意を決したように、派閥ぐるみのキックバックの不記載の実態を語った。
翌14日には、同じく安倍派に所属する堀井学衆院議員も、2018~22年の5年間に計1千万円超のキックバックを受け取り、裏金にしていたことを認めた。
「これに動揺したのが、安倍派の塩谷立座長や、5人衆と言われる派閥幹部ら。とくに『口止め』をしていた幹部として、現在事務総長を務める高木毅氏の名前が挙がっており、宮澤氏の暴露直後から、高木氏は記者団に追いかけられ、追及を受けていた」(全国紙政治部記者)
「もはや安倍派に所属していても、プラスどころかマイナスの影響しかない。暴露した議員たちは、派閥の幹部ににらまれてもいいから、正直に話した方が再起もしやすいと踏んだのだろう。派閥のグリップがきいていないので、今後も誰が暴露するのか、みな疑心暗鬼という状況だ」(自民党関係者)
派閥のグリップがきかない状況にあるのは、東京地検が総力をあげて捜査に臨んでいることもあるが、安倍晋三元首相亡き後の派閥幹部の力量不足によるところも大きい。とくに、政治資金パーティーの実務を担い、キックバックの不記載の流れを認識していたと指摘される高木毅事務総長については、その能力を疑問視する声が改めて高まっている。
高木氏と言えば、「パーティー」問題以前に疑惑の追及を受けたのは、「パンティー」問題だった。
「高木氏が復興相に就任した2015年、週刊文春と週刊新潮が相次いで、30代の頃の高木氏が、好意を抱いていた女性宅に合いカギを作って侵入し、パンツを盗んでいたなどと報道。高木氏は記者会見や国会で追及を受け、だらだらと汗をかきながら『そういったことはございません』と否定した」(全国紙政治部記者)
ただ、捜査関係者が「高木氏が現場から逃げる様子が防犯カメラにしっかり映っていたが、敦賀市長でもあった高木氏の父が謝罪し、示談で終わった」と証言するなどし、「パンツ」疑惑は、地元では広く知られている話となっている。
記者会見や国会ではひたすら守りに徹して「パンツ」疑惑を否定してきた高木氏だが、飲み会の場では「大臣になったときは、あの問題ばかり聞かれて大変だったんだから」と自虐したり、記者の前でお気に入りの女性秘書から「パンツ」の話題を振られて「やめなさい!」と突っ込んだりと、半ば「ネタ」のようにもなっているという。