コロナ禍を機に進んだ大量のレイオフ


ホテルの運営方法の違いがわかると、コロナ禍を機に3社が利益率を高めた理由がわかる。
MC型のマリオットとヒルトンは、コストの大部分を償還費が占めている。これはホテル運営に必要な経費をマリオットやヒルトンが一時的に負担するものだ。コロナ禍前と後とで、この償還費の比率が変化している。

米カリフォルニア州サンマテオのマリオット・サンフランシスコ・エアポート
米カリフォルニア州サンマテオのマリオット・サンフランシスコ・エアポート

マリオットの売上高に占める償還費の割合は、2019年が77.0%、2023年が71.5%だった。5.5ポイント下がっている。ヒルトンも60.3%から58.2%に下がった。

コロナ禍で進んだのが、人員削減だ。マリオットは2020年に本社の社員673人を削減、ヒルトンも2100人の人員削減を行った。レイオフ効果が効いているのだろう。

コロナ禍による解雇は一時的なものだと見られていた。しかし、2023年に入って売上高が2019年を上回るようになっても、ホテル経営に必要な人員を大幅に抑えることができたようだ。逆境をバネにして稼ぐ力を高めたのだ。