ガキがガキらしくいられる居場所を
この12月にも東京、目黒区の小学校で児童2名がODで緊急搬送された。子供のODは全国的にも深刻な問題だ。東京では“トー横”がその震源地とされてきたが、大阪・道頓堀のグリコサインの下の“グリ下”でも子どもがたむろする現象が起きている。SHINGOにグリ下キッズについても聞いてみた。
「グリ下には近所にクラブがあって、もう7、8年前から見るからに自暴自棄の子どもたちがぎょーさんいてました。でも、そこに溜まってたら何が悪いの? みんなの目があるからいいちゃいますか。あそこから発信してるんでしょう、何か。そこ塞いだって解決にはならんでしょう。それとは別にOD問題は根深い。
子どもらと時間をかけて信頼を築き、信じれる大人、頼れる大人がいると気づいてもらうことやないですか。今まさに、次の新しいアルバム作ってて。曲名で『居場所』っていうのも作ってるんですけど。みんな居場所を探してるんじゃないですか? 見えない居場所よりも見える居場所でいいんじゃないですか」
12月20日、ケーキを保育園に配り終えたSHINGO氏からメールが届いた。
〈保育園はいつもこどもたちが自由で苦戦しますが
今年はこどもたちを集合させてまとめるのに声潰れました!
ガキのパワー! 恐るべし!〉
誰の子でもなく目の前の子どもの笑顔を。ガキがガキらしくいられる居場所作りを。SHINGO★西成からのクリスマスケーキを受け取った子どもたちの笑顔は、それは元気に溢れているのだろう。SHINGOの新曲「居場所」のリリースも楽しみだ。
《後編》へつづく
《後編》「人が死んでいる!頭血出てる!うめき声が聞こえる…」西成出身のラッパーSHINGO★とゆく西成「今回人間で生まれたから、人間ムキ出しで生きたいから」《西成さんぽ》
取材・文/河合桃子 撮影/高木陽春