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「ミスFLASH」から政治家の道へ
先月9日に投開票が行われたさいたま市議会議員選挙。定数7に対し12人が立候補した北区選挙区で、永井さんは3213票を獲得し、最後の7人目として当選した。
「テレビでずっと見ていたんですが、なかなか当確が出なくて、事務所の中にも緊張感が走っていました。そうした中で高木まり参議院議員が『おめでとう』と事務所に入ってきて。みんながえっとなったら『もうネットだと結果は出ていますよ』と言われて(笑)。当選したとわかった瞬間は本当にほっとして涙も出てきました」
インタビューをしたのは当選から10日後だった。晴れて“先生”と呼ばれる立場になったが、まだ市議会議員になったという実感は湧いていないという。
「選挙が終わってまだひと安心という感じです。5月に初登庁するんですが、その時になったら実感が湧くのかもしれません」
永井さんは東京・表参道で母親と歩いているところをスカウトされ、18歳で芸能界デビュー。以来アイドルグループのメンバー、さらに2013年にはグラビア賞「ミスFLASH2013」グランプリに輝くなどグラビアアイドルとしても活躍してきた。
その後、「イエローハット」のCMに出演するなど芸能活動を続けていたが、2019年には半年間、オーストラリアへ留学。帰国後、新型コロナウイルスの流行で芸能界も大きなダメージを受ける中、そうした社会情勢を機に以前から興味を持っていた地域社会に関わる仕事に携わろうと決心した。
「そんな時、知人だった議員秘書の方から『衆議院選があるので手伝ってくれませんか?』と言われ、2021年に立候補した杉村慎治さんの選挙、その後2022年の参議院議員選挙に立候補し当選した高木まり参議院議員のお手伝いをすることになりました」
選挙ではパソコンの打ち込み、ビラ配り、陳情に来た人の意見のメモなどの作業をこなした。活動の中で、地域で困窮している人々の姿がはっきりと見えてきた。
「お手伝いをしていると直接困ってる市民の方からお話を聞けるんです。障がい者の方から『街を歩きにくい』、高齢者の方からは『年を取ったら車も乗れないし、どこにも行けない』といった切実な声です。そうした経験を経て、私がきちんとみなさんの意見を聞き、少しでも役に立ちたいと政治家を目指そうと思いました」