現状、AIでのアダルト画像生成に法律での規制がない
Amazonが運営している電子書籍販売サイト、Kindleストアで「AI 写真集」と検索すると、4,000件以上の作品がヒットする。特に水着やコスプレなどのグラビア画像集から、ヌードなどのアダルトな画像集まで、主に“女性”を素材にしたものが目立っている。
「Amazonのメインユーザーが20~40代のサラリーマンとされているので、グラビアや18禁の対象となるアダルト系をテーマにすると人気が出やすく、それらのAI画像集が乱立している状況です。
Kindleは出版する際に、ヌードなどのアダルトジャンルか、その他一般ジャンルかを申請するのですが、購入者としては、なるべくアダルトジャンルで検索したくない心理が働きます。なので、水着だけど面積が少なかったり、『若く見えるけど成人』という設定でのグラビアだったり、ギリギリのグレーゾーンを攻めた作品を一般ジャンルとして販売している方が多いですね」(DaiGo氏、以下同)
ただし、今年5月頃からはAmazon側での規制が厳しくなってきているという。一般ジャンルでのグレーなAI写真集の販売は難しくなってきており、ここ最近ではアカウント停止にまで追い込まれている人もいるほど、日を追うごとにその厳しさは増している。
「特に児童ポルノや、タイトルに露骨なアダルト表現を含むものはAI生成画像であっても一発アカウント停止、というパターンが増えてきています。とは言え、それはあくまでAmazon側が企業として設けている規制。法律でAIによるアダルト画像生成禁止がされているわけではありませんし、AI画像に対する著作権を誰が持つのかさえ、明確なルールが決まっていない状況です」
“AI画像に対する著作権のルールが決まっていない”ということは、こういう問題が起きる可能性があるという。
「例えば『女優のAさん風の美女のグラビア』をAI画像生成で作って販売したとしても、違法にならないこともあるのです。それを見たAさんが著作権、肖像権の侵害で訴えたとしても、本当にAさんを意識して作られたのかをどのように証明すべきか、法律ではまだ決まっていないんですよ。技術の進歩に法整備が追いついていない状況です」