井上が覚醒剤をやっていたのはみんな知ってました
起訴状などによると、井上被告は2021年6月27日午後6時すぎ、埼玉県川口市のホテルにAさんと入室。28日午前4時すぎにAさんが意識障害や脱力状態で動けない状態になったが、医療措置を受けさせないまま30日朝ごろまで放置し、死亡させた。井上被告が覚醒剤使用の発覚を免れるため、体調を崩したAさんを放置したとみられる。井上被告は同年冬に別の覚醒剤取締法違反容疑で逮捕、起訴されていた。
Aさんの死因は司法解剖ではわからなかったが、遺体からは覚醒剤成分が検出されており、井上被告は任意捜査段階で「2人で覚醒剤を使った後に女性が倒れた」と供述していた。Aさんが意識不明になってから死亡し、遺棄されるまでの経緯は♯6に詳しい。
当初Aさんは薬物を摂取後に体調が急変して死亡、井上被告が引越し業者の同僚だった菅原和宏被告(44)=死体遺棄罪、保護責任者遺棄ほう助罪で起訴=をホテルに呼び出して遺体を土岐被告の自宅に運び、駐車場やコンテナなどで保管した後、同年9月に秋田市の雑木林に穴を掘って埋めたとみられていた。
しかし、Aさんはホテルから土岐被告の自宅に運ばれる前に、引越し業者の事務所(埼玉県川口市)でオムツをした状態で“管理”されていたという。当時の元同僚は集英社オンラインの取材に、こう証言していた。
「Aさんを運んでいるのを見たんですよ。事務所は2DKのアパートで、一部屋を仕事用、もう一部屋を井上の部屋という感じにしていました。21年の6月末か7月の半ばまでのことだったと記憶しているんですが、ある朝、その井上の部屋で誰かが寝ていたんです。のれんがかかっていたのと薄暗くてはっきり見えなかったんで、『下田(※死体遺棄の容疑で逮捕、起訴された同僚)が寝てるんですか?』と井上に聞くと『後輩のヤクザから預かってる女だよ』と言われたんです。
しかもオムツが床に転がっていて、これはシャブ絡みのトラブルだな、と直感しました。井上が覚醒剤をやっていたのはみんな知ってましたから」