キックバックでの裏金づくりは、全国津々浦々で?
「総理・総裁の任にあるうちは、派閥を離れるのが適切な対応であると考えた」
岸田首相は7日、自身が会長を務める岸田派を離脱することを表明した。
「そもそもこれまでの首相は、首相在任中は派閥を抜けるのが慣例でした。それなのに、岸田首相は自分の支持基盤である岸田派の会長で居続け、派閥をグリップし続けてきました。にもかかわらず、各派閥のパーティー券疑惑が報じられると、いち早く派閥を抜けた首相に党内からはあきれる声があがっています」(全国紙政治部記者)
首相が派閥を「いちぬけ」できても、永田町の動揺は収まらない。
「自民党の船田元衆院議員は7日、このタイミングですが自身のパーティーを開催。自身が所属する茂木派の茂木敏充幹事長はあいさつに立ってもパーティー券問題には触れませんでしたが、船田氏は、党内でキックバックの不記載があったと決めつけて『このパーティーは大丈夫です』とあいさつ。あまりにきわどい発言に、場が凍ったような、どう反応していいかわからない空気になりました」(パーティー参加者)
一方、若手議員は「パーティーも自粛することになり、(各派閥が所属議員に夏や冬に配る資金
である)『氷代』『餅代』はどうなるのか。参院選は2025年夏。きっとその前に衆院選もあ
るだろうに、これでは資金不足で選挙を戦えない」と頭を抱える。
そんな大きな収入源を失ってでも、パーティーを自粛せざるを得なくなったほど、自民党に打撃を与えている疑惑の広がりはとどまるところを知らない。
「とくに最大派閥の安倍派では、議員が販売ノルマを超えて集めたパーティー券収入を収支報告書に記載せず、その裏金は5年間で1億円を超えるとされています。安倍派の議員秘書はすでに東京地検特捜部の任意聴取を受けており、今後、松野博一官房長官や西村康稔経済産業相、高木毅国対委員長ら事務総長経験者も任意で事情聴取されるとみられています。13日の国会閉会後にも、事態は大きく動きそうです」(全国紙政治部記者)