各社世論調査で支持率低下、減税政策も「評価しない」が過半数
「まさかここまで支持率が下がるとは」
10月29日夜に出回った世論調査の数字を見て、自民党関係者は絶句した。
日経新聞とテレビ東京が27~29日に実施した世論調査では、岸田政権の内閣支持率が33%と9月の前回調査から9ポイント下落して過去最低となり、不支持率は59%と前回より8ポイント上昇した。
また、ANNが28~29日に実施した世論調査でも支持率は過去最低の26.9%となり、不支持率は51.8%となった。
岸田首相は26日の政府与党政策懇談会で「1人につき4万円の定額減税」や、低所得者への「1世帯あたり合計10万円を目安に支援」を打ち出しており、これらの経済対策を受けて世論がどう反応するかが注目されていた。
しかし、蓋を開けてみると結果は散々なものだった。
世論調査の数字はメディアが正式に発表する前から永田町関係者の間で回って話題になっており、「減税を打ち出しても支持率が上がらないなら、もう岸田首相は何をやっても支持率が上がらないのではないか」との声も漏れた。
なぜ、岸田政権の内閣支持率は、減税を打ち出した後も下がり続けているのか。世論調査を見てみると、そもそも減税自体が評価されていないことがわかる。
日経新聞、テレビ東京の世論調査では物価高対策としての所得税減税は「適切だとは思わない」と65%が回答。ANNの調査でも減税を「評価しない」と半数以上の56%が答えた。
減税は岸田首相が「国民への還元」と主張している通り、国民にとっては金銭的にプラスとなる政策のはずだが、世間にはまったく受け入れられていない。
その理由には、今回の減税政策が低所得世帯への給付と組み合わせたものであるがゆえにわかりにくく、国民の分断を招いてしまっていること、そして何よりも岸田政権に対する不信感が払拭できないほど高まっているという現実がある。