政権幹部から地方議員までの自民党全体が戦々恐々
ある自民党関係者は「安倍派のパーティー券売上がトップクラスとされる中堅議員は、自分では地元でパーティーを開催していなかったのに、なぜかカネを潤沢に持っていた。地元の経済界の重鎮が社長を務める有力企業に多額のパーティー券を買ってもらい、キックバックを受けていた、という構図のようだ。そんな議員は安倍派にごろごろいる」と語る。
さらに、疑惑は永田町だけでなく、地方の自民党にも。
「各地の県連で開くパーティーをめぐっても、国会議員だけでなく地方議員もノルマ超過分を適正に処理せず、裏金化していたという疑惑が持ち上がっている。国会議員だけでなく、国政選挙で手足となって働く地方議員にもこの問題が直撃すると、自民党が全国的に立ち行かなくなる。もはや党・政権幹部から地方議員までの自民党全体が戦々恐々としている状況だ」(自民党関係者)
「松野官房長官や西村経産相のような政権幹部まで立件されたら、岸田政権が立ち行かない。年明けの退陣も十分あり得る」との危機感が日に日に広まる自民党。
ただ、「派閥とカネ」の問題がここまで大きくなっただけに、「ポスト岸田」レースからの脱落者が多く出た格好で、首相が退陣しても後任の本命は不在だ。
「最大派閥の安倍派は、今回の捜査のメインターゲットとなっており、身動きがとれません。安倍派の萩生田光一政調会長、西村経産相ともに次期総理の可能性はないでしょう。茂木幹事長ら派閥幹部らも、総裁選への立候補はしづらい」(全国紙政治部記者)