だまされているとわかっていても…
「子どもに慕われる先生になりたい」と語っていたときのアイコのキラキラした瞳や純粋そうな表情など、佐藤さんが抱いていた彼女へのピュアなイメージがすべて崩れ去った。
「メンタルは崩壊し、1週間ほど仕事を休みました。その後も2ヶ月間は抗うつ剤を飲む日々でした。最近はようやく自分を取り戻せたので、この件について2人の弁護士に相談したのですが、ひとりからは『だまされるほうが悪い』と罵倒され、もうひとりからは苦笑されて相手にされませんでした」
佐藤さんは離婚した元妻にふたりの子どもの養育費として毎月30万円を支払っている。決して生活に余裕があるわけではないため、なんとしてもお金を取り返そうとアイコから毎月5万円の返済の約束を取り付けたが、期日に振り込まれないこともしばしばだ。
アイコは今、地方への出稼ぎで月100万円ほどの収入があるが、出稼ぎから帰ってきた翌日には担当ホストに貢いでしまっているようだという。
佐藤さんは「アイコはホスト遊びをやめるどころか、いまだに太客です。だまされているとわかっていても、この子は自分にしか救えないという思いに囚われ、『(ホスト通いを)やめるんだよ、絶対』と念を押して、さらに100万円を貸してしまいました。そうやって安易にお金を渡す私自身が悪いのはわかっているんですが……」と力なく笑い、こう続ける。
「ホス狂の女の子は同情される面もありますが、だまされるおじさんは『あんたが悪い!』と一蹴されるだけ。でも、こんな情けないおじさんもいることを知ってもらいたいんです……」
貸した総額は255万円。色恋営業の食物連鎖の末端で、佐藤さんの悲痛な叫びがむなしくこだまする。
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取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班