ホストはそんな悪い世界じゃない
――「山本裕典、ホストになる」の企画スタート後、街で声をかけられることが増えたそうですね。
山本裕典(以下、同) それまでは全然でしたけど、ホスト企画後は「あ、山本裕典だ!」って言われることが増えました。やっぱりこの仕事をしてると関心を持たれるのはうれしいですよ。
声をかけてくれた人とは一緒に写真を撮って媚びを売ったりするんですが、最近は(インスタグラムの)DMや番組のコメントにもアンチが全然いないんですよ。ここまでいい方向にいくとは思わなかったですね。
――かつてはスキャンダルもあって、炎上しやすかった山本さん。特に2020年7月、出演していた舞台『THE★JINRO― イケメン人狼アイドルは誰だ!!―』では出演者や観客らに新型コロナ感染者が相次ぐクラスターが発生。その原因だったのではと世間からはかなり叩かれました。
ワイドショーやネットニュースでは、出演者と観客が握手やハグをする演出があったと報道され、僕がコロナを広げたと悪人扱いされました。実際はそんなこと一切やっていないと文春さん(「文春オンライン」)のインタビューで弁明したけど、そんなものは世間に一切伝わらなくて、あのときはリアルに自殺しようかなと考えましたよ。
ただ、僕も負けず嫌いだから、“俳優・山本裕典”はそこで一度死んだと思って、過去の報道を自虐の笑いにして、本当に僕のことを理解して応援してくれる人や、求めてくれる企業さんのためだけに芸能活動が続けられたらいいやって吹っ切ることができた。
それが今回のホスト企画のオファーを受けることにもつながりましたね。
――しかし、世間では女性に多額の売掛金(ツケ払い)を背負わせる悪質ホストが社会問題になっています。ホスト経験者として、どうお考えでしょうか?
政治家までホストを問題視してますけど、夜の世界って悪いイメージが拭い切れないですよね。僕が見てきた姫(客)たちは無理をしてない人ばかりでしたけど、借金してまでシャンパンを入れる姫や、そう仕向けるホストは実際にいるでしょうからね。
ただ、実際に働いてみた感じだと、そんな悪い世界じゃないって感じました。番組でやっていたからそう見えただけかもしれないけど。