「学費が足りない」と打ち明けられ

ある日、アイドルのライブDVDを一緒に見ることになったふたり。どこで見るかという話になり、「ホテルで見よっか?」と提案したのはアイコのほうからだった。

「誘われたときはドキッとしてしまいましたね。ベッドに寝転がりながらDVDを見てるとき、彼女のほうからくっついてきて。『キスしていい?』と聞くと『うん』というので、その後は流れに任せて……」

マッチングアプリで出会ったアイコ(佐藤さん提供)
マッチングアプリで出会ったアイコ(佐藤さん提供)

これで完全に骨抜きされてしまった佐藤さん。火照った体も冷めないうちに、恋人になることを前提に「アイコちゃんともっと仲よくなりたい」と漏らすと、彼女は“頂き女子”としての一面を垣間見せた。

「アイコは『私も仲よくなりたい。だから、これまで誰にも言えなかった悩み、聞いてくれる?』と言うのです。それまでは笑顔しか見たことがなかったから、何か悩みがあるとは思いませんでした。彼女の力になりたいと思い『何でも話して』と言いました」

そして、思い詰めた彼女の口から語られたのは「実は大学の学費の振込が間に合わなそうなの。アルバイトの給料じゃ無理だし、風俗で働くしかないかな」というもの。これは冒頭で説明した渡辺被告とまったく同じ手口だ。

「大学の学費の振込が間に合わない…」と佐藤さんに泣きついたアイコ(佐藤さん提供)
「大学の学費の振込が間に合わない…」と佐藤さんに泣きついたアイコ(佐藤さん提供)

「私は彼女にそんなところで働いてほしくない。でも彼女は『こんなことはユウくん(佐藤さんのこと)にしか言えない』としつつも、決して自分から『お金を貸して』とは言わなかった。だから『僕が貸すよ。いくら必要?』と聞くのですが、『それはダメ、もう風俗で働く!』と突っぱねる。

私も『頼むから借りて』と譲らず、結局、26万円をその場で貸すことになりました。今思えば、これは(頂き女子の)りりちゃんと同じ手口ですね……」