あの子を高いところから突き落としたらどうなるんだろう

渥美容疑者のエキセントリックな性格と言動は、大人になってからも垣間見えることがあった。彼が足繁く通った地元の飲食店の店主にも、忘れられない言動があったという。

「リョーマ……まあ、知ってるわよ。20代前半のころから飲みにきていたから。最初にきたころは友達と一緒にいても一切笑わなくて、心配になるくらいでね。お酒は好きなんだよ。友達と仲よくはしてるんだけど本当に笑わないの。だから私は『リョーマ、あんた笑ったらかわいいんだから笑いなさい』って言い続けたの。

ちょっとね、たまに怖くなることを言い出す子だったから。『生きてる犬を洗濯機に放り込んだらどうなるんだろう?』とか、友達のことを見て『あの子を高いところから突き落としたらどうなるんだろう』とか言い出すことがあって……。酔っ払ってはいるとは思うんだけど。だけどそれでも怖いじゃない。それが20代の前半のころよ」

水道工事業をしていた渥美容疑者(SNSより)
水道工事業をしていた渥美容疑者(SNSより)

この飲食店では、後に渥美容疑者が入籍することになる年上の女性Bさんも働いていた。店主が続ける。

「リョーマが明るくなって楽しめるようになったのは、ほんとここ数年のことよ。最近じゃ仕事帰りにワゴンで通りかかると『ママーお疲れー』とか笑顔で言ってくれてね。Bのこと知ってるの? ウチで働いてた九州出身の子だわ。リョーマも自分のところで働かせたり、一生懸命面倒を見ていた。年上なんだけど彼女、東京では1人だからさ。それでお互いに好きになってというか、付き合いだしてさ。最初はいっつも一緒にいたよ。この辺で飲み歩くのもだし、それこそ仕事も一緒にしたりさ」

しかし、Bさんはやむをえない事情で九州に戻らなければならなくなった。

「詳しくは言えないけど家族の事情でBが九州に戻らなきゃいけないことになったの。リョーマも口では言わないけど本当に好きで辛かったんだと思う。ウチでカラオケのオーダーを書くチケットにいつもBという名前を書いていたから。寂しかったんだとは思うよ。Bがいなくなって、しばらく経ったころに10代の子と付き合ってるって話を聞いたけど」

小松川警察署
小松川警察署

♯2で取材に答えてくれた義父や親族の話と同様、渥美容疑者は今年6月ごろに江戸川の“地元”から姿を消したという。

「そんな話をしてた矢先に半年前からぱったりリョーマは姿を見せなくなってさ。その後にリョーマの周りで警察が動いてるなんて噂も流れてて、そこにこの報道でしょ…。昔に怖いこと言ってたし、フッとそのことが思い浮かんだんだけど、まさかなーなんて思ってたらこうして取材だなんて……」