インフルエンザは解熱後2~3日は外出禁止

インフルエンザは感染力が強く、インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみ、話しているときに唾液が飛び散り、それを吸い込んでしまうことでうつる飛沫感染と、ウイルスが付着したものを触った手で口や粘膜を触ると感染する接触感染があります。

ウイルスの潜伏期間から発症期までが感染力が強いので、その期間は外出せず、手洗い、うがい、マスクの着用をして、周りの人に感染させないようにしましょう。

インフルエンザにかかったら、学校では「学校保健安全法」により発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまでをインフルエンザによる出席停止期間としています。企業もこの法を採用して、この期間が出勤停止となっている場合があります。
熱が下がったからといってすぐに外出すると、周りの人に感染させてしまうので、解熱後2~3日は出かけず安静にして過ごしましょう。

新型コロナウイルス感染症と違って、インフルエンザには治療薬があるから安心というのも間違いです。
抗インフルエンザウイルス薬はありますが、適切な時期に服用を開始しないと十分な効果を得ることはできません。薬で治療する場合はできるだけ早く服用を開始することが重要です。
抗インフルエンザ薬は 発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間が1~2日間短縮され、咳や鼻水などからのウイルスの排出量が減少します。ただし完全に治るということではないので、服用後も安静するようにしてください。

また、抗インフルエンザ薬は服用後、主に未就学児に転落死などの異常行動が報告されています。関連性が明確に示されているわけではありませんが、とくに小さな子どもの服用後2日間はできるだけ1階で寝かせる、窓やドアは施錠しておくなど対策をしておきましょう。

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インフルエンザの治療の一番は安静にして十分に睡眠をとる、高熱による脱水症状を避けるために水分をしっかり補給するという生活治療法です。
風邪や新型コロナウイルス感染症も同様で、無理は禁物です。

また、予防には手洗い、うがい、マスク着用以外にワクチン接種があります。
ワクチン接種をすることで、重症化リスクを下げることができます。国内の研究(※)によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者の34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされているので、高齢者や基礎疾患のある人には接種のメリットは大きいでしょう。
有効期間は3~5ヵ月間なので、例年の流行シーズンを考えると早めに接種することをおすすめします。

これから、空気がますます乾燥し、飛沫感染しやすくなります。こまめな手洗い、うがい、マスク着用、咳エチケットで感染予防しましょう。

※参照:厚生労働省 インフルエンザQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2022.html

取材・文/百田なつき