もしかして、あいりじゃねえ?

別の「おたからや」関係者の男性も、名古屋栄店に女性従業員がいたことすら知らなかった。

「阿部さんとは仕事の話は何度かしましたよ。顔をあわせたことも何度かありますが、いつも仕事の話だけです。知り合ったきっかけも阿部さんから『この品物をどこかいい価格で買い取ってくれる業者知ってますか?』と電話もらったことがきっかけです。だからプライベートなことは一切聞いてないです。

雰囲気や物腰からは優しい方だというのはなんとなくわかりましたが、少なくとも私は女性の従業員がいたということは、聞いたこともありませんでした。阿部さんの店のあった栄は名古屋市の中でも激戦区です。そんな激戦区で、10年以上お店をやっていたわけですから、やっぱりいい価格で買い取っていたんでしょうね。ただ、元従業員とトラブルになったということや横領の話などは聞いたことがないですね」

2014年ごろから「従業員」だった内田容疑者だが、関係者の多くはその存在を知らなかった。また、内田容疑者は過去には同店で2千万円を横領しており、発覚後は月々数万円の返済に追われていた。その一方で阿部さんとは交際関係になったこともあったという。

シャンパンを飲む内田容疑者
シャンパンを飲む内田容疑者

内田容疑者は名古屋の繁華街ではちょっと知られたキャバ嬢だった。客でもあった知人の男性が語る。

「最初に報道で内田明日香って名前が出たときは、仲間内で『もしかしてあいりじゃね?』って話していました。あいりというのは7年前まで内田明日香が働いていたキャバクラでの源氏名です。

報道で北区と出ていたのと、29歳という年齢が一致していましたし、ニュースを見て心配した昔のキャスト仲間たちもいまだに連絡が取れないと言っているので本人かなって思いました。でもテレビで別の人の顔写真が出ていたんで、いったんは『じゃあ違うか』ってことになったんですけど」

留置施設から送検される内田容疑者(写真/共同通信社)
留置施設から送検される内田容疑者(写真/共同通信社)

X(旧ツイッター)を通じて入手したというその写真を「内田容疑者」と報じた東海テレビは誤報を詫び、訂正した。取材を進めると、やはり内田容疑者はこの男性が知る「あいり」だった。

「あいりだとしたらですが、明るくていい子という印象がありますね。最初は名駅(名古屋駅)近くの中村公園あたりのキャバクラで働き始め、当初は垢抜けないというか田舎っぽさがあったのですが、慣れていくうちにきれいになっていきましたね。本人も化粧を頑張っていましたし、何度も僕の席についたことがあります。いじられキャラというか、みんなに可愛がられるタイプのキャラでした。お金にガツガツしてる感じも当時はなかったですね」