「阿部さん、絶対帰ってこないですよ」と断言
阿部さんと信頼関係の厚かった常連客で、友人でもあるA氏が絶対匿名を条件に、集英社オンラインの取材に応じた。A氏は阿部さんの生前、「おたからや」に1500万円分のインゴット(金塊)などを持ち込み、代金は後日支払われる予定だった。
だが約束の最中、阿部さんと連絡がとれなくなり、突如阿部さんの「知人」として登場したのが内田容疑者だったという。
A氏が実際に内田容疑者と対面したときの様子を語った。
「直接会ったのは3回かな。初めて会ったときは普通で、堂々としてましたよ。最後は阿部さんのお店で一回会ったんだけど、そのときは『阿部さんがうつ病を発症したからもう店を閉める。それで店の後片付けを頼まれてる』みたいなことを言い出したんですよ。それで僕も心配になって『阿部さんもう帰ってこないの?』って問いただすと『絶対帰ってこないですよ』と断言したんです。今思えばかなり怖いですよね」
さすがに絶命した阿部さんを自宅に放置し、店に出入りしていただけのことはある。そもそも阿部さんは、A氏から預かったインゴット(金塊)などの代金1500万円を「今日の夜に代金を持っていきます」と9月29日昼の電話で約束したのを最後に音信不通となった。そして突然、内田容疑者が「代行」として現れた。
「2回目までは内田はお金を持ってきたんですよ。インゴットの代金として1回目150万円、2回目150万円って感じで。彼女が住んでいるアパートの近くのコンビニで会い、金を受け取りました。それでも足りないから3回目には、僕が預けたインゴットをお店に取りにいくってことで会ったんです」
そもそも内田容疑者がAさんに伝えていた、阿部さんがインフルエンザとコロナの合併症で入院、その後退院したにもかかわらず、阿部さんと面会できない理由を、内田容疑者はどう説明していたのだろう。
「退院して新栄のマンションに戻って、お姉さんと親戚が一緒に看病してくれていると聞きました。『僕は代金については1年でも2年でも待つから一度会話だけしたい』って言って、もう面倒だから阿部さんの新栄の家に直接行こうとしたんですよ。
そしたら『行くのはやめてください、家族のこともあるから。代わりに私が阿部さんの家に行きます、阿部さんが私の携帯から話すっていうのはどうですか?』と持ちかけられました。阿部さんがお姉さんとかに見張られていて中々、携帯にさわれないし、電話も気まずいだろうからって」