形は変われど、アイドル文化は残っていく

――最後に今後のアイドルはどうなると考えていますか。

なくならないと思うんです。 1970〜1980年代はソロのアイドルばかりだったものが、今はほとんどグループになっている。これはテレビの時代が終わったとか、ライブ中心だからにぎやかなほうがいいとか、あるいは握手会をやって人数が多いほうが儲けられるとか、いろいろな条件でそうなっている。

さらに今はK-POPや日本人でもNiziUみたいなものが出てきた。形は変われど、アイドルは残っていく。「推し活」という言葉もこれだけ広がっているし、アイドル的な需要のされ方というのはあり続けると思います。アニメキャラを推すとかもあるし、アイドル文化そのものはなくなりはしないですよね。

警察官からAV女優に転身した、ちゃんよたが「あのAV女優をリングにあげるな」と言われてもプロレスデビュー。生き物として強くなるために出場したBreakingDownでは…。_4

――AIやVTuberといった新たな形も出てきていますが、中森さんは今後アイドルは徐々に肉体性をなくしていくと考えていますか。

そういう考えもあるけれど、例えば秋葉原ではアニメショップや萌えショップ、そしてAKB劇場やソフマップといったアイドルのイベント会場があるけど、2次元派と3次元派ではわかれていた。なので全部バーチャルにはいかないんじゃないかな。

アイドルに限らず「感情労働」といって、テレホンアポイントメントやクレーム応対係とか、スマイルドロイド0円とか。肉体労働ではないけれど、ものすごく神経を使う仕事の中にはAIに移行せざるを得ないとも思う。

ただ「推し活」は、人間ですよ、最後は。新著『推す力』には、自分がこれまで生きたありったけの体験や思い、秘話をつめ込んだ特別な一冊なので、ぜひ、読んでいただきたいですね。

 《前編》はこちら

《前編》加護亜依は勝新太郎、広末涼子は無頼派、「チャイドル」から生まれた雑誌…日本を代表するアイドル評論家が初めて明かす人生をかけたアイドル論

取材・文/徳重龍徳 撮影/村上庄吾

『推す力 人生をかけたアイドル論』(集英社新書)
中森明夫
2023年11月17日
256ページ
新書判
ISBN:978-4-08-721289-1
なぜ私たちは「推す」のか?
秘蔵エピソード満載のアイドル人生論!
篠山紀信さん(写真家)推薦!

アイドルを論じ続けて40年超。
「推す」という生き方を貫き、時代とそのアイコンを見つめてきた稀代の評論家が〈アイドル×ニッポン〉の半世紀を描き出す。
彼女たちはどこからやってきたのか?
あのブームは何だったのか?
推しの未来はどうなるのか?

芸能界のキーパーソン、とっておきのディープな会話、いま初めて明かされる真相――そのエピソードのどれもが悶絶級の懐かしさと新鮮な発見に満ちている。
戦後日本を彩った光と闇の文化史とともに、“虚構”の正体が浮かびあがるアイドル批評の決定版!
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