現職、最多当選の立民・小沢氏にも批判の声

実力者として政界に君臨し続ける80代の政治家を複雑な思いで見ているのは、永田町の現役議員だけではない。世襲での後継をめざす息子たちにとっても、父の引退時期は一大関心事だ。

「麻生氏の長男は40歳目前。二階氏の三男は40代半ば。当選回数がモノを言う永田町ですから、初当選から大臣就任までに10年はかかるでしょう。そこからさらに重役を狙うとなると、あまり時間はない。
そのため、年を重ねてから初当選した世襲議員には、周囲の『お父さんも幹事長をやったのだから』『親子2代で総理に』といった期待とは裏腹に、焦りもあるのです。

二階俊博元幹事長(公式サイトより)
二階俊博元幹事長(公式サイトより)

岸信夫元防衛相の長男、岸信千世氏は31歳で初当選を果たし、HPに家系図を載せたことや、演説に中身がないことなどに批判が集まりましたが、それでも若くして当選した分、今後のキャリア形成に余裕がある」(自民党議員)

一方、野党第一党の立憲民主党にも、現職で最多の当選18回を誇る小沢一郎氏(81)がいる。

「かつて自民党幹事長を務めた威光は見る影もなく、前回衆院選では小選挙区で初めて落選し、比例復活しました。
最近では党の中堅・若手議員とともに次期衆院選での野党候補の一本化を求めたり、自分のグループを立ち上げたりするなど、『反泉』の動きも見せています」(全国紙政治部記者)

そもそも小沢氏は、2021年に枝野幸男代表(当時)が衆院選敗北の責任をとって辞任した後の代表選では、現在の泉健太代表を支援していた。

小沢一郎氏(公式サイトより)
小沢一郎氏(公式サイトより)

「このときに、小沢氏は泉氏が代表になれば役職に就けてもらうという約束をされていたのですが、泉氏の周囲の反対もあり、小沢氏の登用は立ち消えに。そこから泉氏とは距離を置くようになりました」(同)

ただ、立憲内からは小沢氏の動きに対し、「本来は小選挙区で勝たなければいけないベテランなのに、小選挙区では落選し、党の貴重な比例復活の枠を一つ使った。私だったら恥ずかしくて、表立った動きなんてできない」(ベテラン議員)との批判の声が出る。