親が子供のオナニーを見たときの対応は?

床オナの悩みに直面するのは当事者だけでなく、子供を持つ親であることもある。

床オナは幼少期から無意識に行ってしまうことが多いため、親にとって子供の行動が悩みの種になるかもしれない。そのような状況に直面した際に、赤木さんは「怒らずに優しく教えてあげること」が大事だと話す。

「家庭では、子供がうつぶせになってモゾモゾ動いているところを見かけたら『おちんちんかゆいの?』と聞いてあげて、『おちんちんは将来子供を産むために大切なところだから、何かに押しつけたりするのはよくないよ』としっかりと伝えるのがいいと思います」

「また、5歳以上の子供であれば、オナニーのマナーも教えられるとよいです。頭ごなしに怒鳴ったり、一概にそれはよくないと言ったり、ペニスが汚い場所だと伝えたりするのはやめましょう。オナニーは誰にも見ていないところですること、強い刺激を与えないように手で優しく触ること、の2点を教えてあげてください」

しかし、まだまだ子供たちに向けた性教育の知識は広がっておらず、このようなオナニーのことを適切に教えられる親も少ないのが現状だ。また、子供たちにとってもオナニーそのものについて学ぶ場所や機会がなく、知らず識らずのうちに間違った方法を覚えてしまうことも少なくないのだとか。そのまま大人になって誰にも相談できず、自身のオナニーを「正しい」と信じ込んでいる例も少なくない。

7割以上の男性がオナニーについて相談できる相手がいないのが現状だ (TENGAヘルスケア調べ、2017年)
7割以上の男性がオナニーについて相談できる相手がいないのが現状だ (TENGAヘルスケア調べ、2017年)

「適切なオナニーとはペニスを手で上下に動かすものだという認識がないと、不適切な方法で覚えて続けてしまう可能性があります。その結果、床にこすりつけたり、強く握りすぎたり、高速でストロークしたり、足をピンと張ってしまったりと、さまざまな刺激の強すぎるオナニーが氾濫してしまいます。
ですが、周りの大人、特に同性である父親が適切な知識を持って、子供のオナニーに気づいて見直してあげられれば、将来的な勃起不全や膣内射精障害などの問題を防ぐことができると思います」

「これからも不適切なオナニーの危険性とともに、遅漏・膣内射精障害はトレーニングで改善できることを発信していきたい」と話す赤木さん。

男性の不適切なオナニーを改善することで、日本の少子化や男性の草食化に少しでも歯止めをかけられるかもしれない。今後のTENGAヘルスケアの啓発活動に期待したい。

取材・文/福井求