とにかく「女子高生の声」を第一に開発を進めました

ジェクスが販売するグラマラスバタフライは「女性が自分で選ぶ、女性のためのコンドームを作りたい」というコンセプトで生まれた商品だ。コンドームっぽさを感じさせない蝶柄のかわいいデザインや、先端に水溶性ゼリーをとどめる独自技術(ジェルトップ加工)で痛みや違和感のない使用感など、女性が喜ぶポイントが盛りだくさんだ。

グラマラスバタフライが生まれた2007年は「性の低年齢化」が問題となっていた時期。女子高生をはじめとした若年層に「早くエッチを済ましてしまった方がいい」という価値観が広まったことにより、性行為の経験年齢が大幅に下がっていた。それに伴いクラミジアといった性感染症が急増、またHIVが社会問題となって注目されたこともあり、性感染症と望まぬ妊娠のリスクを女性が負わなければならないという状態だった。

「当時のコンドームといえば薄さ競争が激化していて、売り場には男性に向けてデザインされた商品ばかり並んでいました。そんなコンドームを女性、特に若い女の子たちは恥ずかしくて気軽に手に取れませんでした。しかしコンドームは妊娠や性感染症を予防するために大切なものである以上、女性が買いやすくするための工夫が必要とされていたのです」

そこでジェクスは女子高生をメインターゲットに据え、女性が手に取りやすい商品の開発を行うことにした。その際、6人の女子高生を中心にチームを発足させて開発を行い、街頭で女子高生100人にモニター調査するなどしてデザインの選定を実施。すると40種類の候補の中から、ほぼすべての女の子が現在のデザインを選ぶという結果になったのだ。

男性は薄さにこだわるけど女性は…女子高生100人の声をもとに生まれた女性人気№1コンドームとは?_1
100人の女子高生のモニター調査で選定されたパッケージ
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「この時に選ばれたのが現在のグラマラスバタフライのパッケージである、蝶をモチーフにしたデザインです。当時、コンドームのデザインに関わるスタッフは男性しかいなかったため、女性のコンドームに対する思いや考えが分からなかったという実情がありました。そのため女性の気持ちを理解するべく、とにかく彼女たち女子高生の声を第一に開発を進めました。
当時の社長には『男性社員は口を出すな!』と言われましたが、あれは大英断だったと思います(笑)」