「これはきっと、顔面相似形コーナーのトップを飾るはず!」

話題になった政治家(不祥事で話題になった政治家)とお笑い芸人を似ていることにして、お笑い芸人にヘアメイクをほどこし、衣装と美術(車や、話題になった場所)もコーディネイトして、カメラマンに撮影させてグラビアで見せる。コロッケと同種の芸風である。これがたのしいと感じる嗜好もあるのだろうが、私が求める、似ている人の《発見》は、殆どなくなってしまった。

A プーチン(ロシア大統領)とサタンの爪(『月光仮面』)

B ポール・モーリア(作曲家)と森村誠一(作家)

C 初井言榮と鷲尾真知子(共に名助演女優)

D 石川ひとみと倉田まり子

これらの組合せで、過去に投稿したことがある。いわば妥当なセンであるが、賞品獲得には至らなかった。獲得できなかった理由はよくわかる。

Aは発見者の数が多かったため。この発見自体はコーナーで採用されている。同じ発見の投稿が多くて抽選にもれた。

BとCは、どちらか一方の(あるいは両方の)、大衆的知名度が、いまいち低い。

Dは、投稿時の時点で、消えた芸能人になっていた。

かたや、過去に採用された投稿の例は、

E 長谷川町子とキム・ヨナ

F 大橋巨泉とドン小西(ファッションデザイナー)

などである。EとFも理由はわかる。組合せの二人ともが(日本人に)有名=大衆的知名度が高い。発表のころに、何かで話題になっていた=タイムリーさ。

投稿を続けて、私は学んだのだ。「顔面相似形」にかぎらず、たんにカフェでのおしゃべりにおいても、「某と某は似ている発見の、大勢にウケる組合せ」の「傾向と対策」を。

G ナブラチロワ(テニス)と真田広之

H 長谷川一夫とちあきなおみ

これらなど、姉弟(兄妹)のように似ているのだけど、時代的にウケない。だから、だから山中伸弥教授がノーベル賞を受賞された年には、

「これはきっと、顔面相似形コーナーのトップを飾るはず!」

と、絶大なる自信を持って投稿した。

I 山中伸弥教授とタマラ・ド・レンピッカ作『ピエール・ド・モンターの肖像』

タマラ・ド・レンピッカという画家を知らなくても、彼女の作品がわからなくても、画像を横に並べれば、一目瞭然だから、大衆的知名度のハードルはやすやすとクリアできる。そう思った。

画像左:朝日新聞社/Getty Images 画像右:“Portrait of Pierre de Montaut” Tamara De Lempicka,1931
画像左:朝日新聞社/Getty Images 画像右:“Portrait of Pierre de Montaut” Tamara De Lempicka,1931

ところが落選した。この年の落胆といったらなかった。