力を持っている人は
誰かを口説いてはいけない

時は流れ、そんな牧歌的な時代は遠い昔になりました。オペラ歌手のプラシド・ドミンゴがセクハラで訴えられたり、息をするように女性を口説くスペインやイタリアの男性は路頭に迷う時代になっています。

知り合いの男性は、部下の女性と2人で食事をする必要がある時は、「もう1人か2人、誰か誘ってください」と気をつけているとか。パワーバランスが釣り合う男女でないとサシでの食事をするのは難しい世の中になってしまったのかもしれませんね。

ただ、はっきりと一つ言えることがあります。

「力を持っている人は誰かを口説いてはいけない」

今や、これを死守しなければ、口説いた方は社会から抹殺されるようになりました。1回でも手を出したら終わり。二者の間で「自分が優位にいる」「自分の方が権力がある」と思ったら口説いてはいけないのです。

「力(権力)を持っている人は誰かを口説いてはいけない」林真理子が語る自身が受けたセクハラ体験と、令和における適切な女と男の距離とは_2

口説いたわけではないですが、最近、気をつけなければいけないと思ったことが一つ。日大の廊下にカッコいい男性ばかり立っていることがあって思わず、「何!? イケメンばっかりどうしたんですか!?」と口走ってしまったのです。

あるスポーツ部の集いがあるということだったのですが、今の私の立場で「イケメン」などと学内で言っちゃまずかろうと、ハッとしました。口のきき方を今後は気をつけなければいけないなと反省した出来事でした。