「反日感情」を持った人たちが煽っているだけな気もします
このようなSNSの投稿に、戸惑いを隠せない中国人も少なくない。都内の日本語学校に通う中国人の男性(20代)もその一人だ。
「今回のニュースは中国でも話題になっていて、『TikTok』や『Weibo』では『処理水の危険性』に関する情報が毎日のように流れていますが、正直いうと半信半疑って感じ。日本のテレビでは『処理水は安全だ』と報じているので、日本と中国、どちらを信じればいいのかわからない。日本にいる僕の友達のなかには食品の安全性を心配している子も少なくないんですが、僕は寿司やお刺身が大好物なので、ちょうど昨日、我慢できなくて食べてしまいました。そもそも中国では、いまだに反日感情を抱いている人が少なくないので、今回のニュースは、そういった人たちが煽っているだけな気もします」
日本の生鮮食品店で働く中国人男性(40代)も、中国からのイタズラ電話には迷惑しているという。
「あのニュースが流れてから、この1週間で20〜30件ほどのイタズラ電話がきて、ここで働くみんなが迷惑しています。電話の声を聞くに若い人が多いようで、中国語で『なぜあなたたちは汚い水を海に流す?』とまくし立てられたり、『あんなことしやがってバカ野郎!』と言って電話を切る人までいて、本当に嫌な気分になります。さらにお客さんまで減ってしまったので、まさに踏んだり蹴ったりの状況です」
また、日本語学校に通う中国人の女性(20代)は、「処理水に関しては気にしていない」と答えつつも、今回の騒動には迷惑しているという。
「中国に住んでいる両親から電話がかかってきて『大丈夫? 魚とか食べてないよね?』と聞かれて、『もちろん』と答えたのですが、ウソです、普通に食べてます(笑)。でも、私のように親から心配されている子は多くて、今は外食を控えていたり、スーパーでは外国の産地の食材しか買わないようにしている子もいます。私の両親も10月の国慶節(大型連休)に合わせて日本に来る予定なんですけど、今回のニュースを見て迷っているそうで…」