上海では豚汁が、北京ではタバコが無料!?

過剰生産を止められなければ、「世界の工場」から「世界のゴミ捨て場」になってしまう。経済の矛盾は、砂漠化や極度の環境汚染など、国土全体の崩壊という形をとって表れるだろう。

汚染が激しい2013年、中国のネットには、「上海市民はタダで豚汁が飲めて、北京市民はタダでタバコが吸える」などという書き込みが見られた。これは、飲料水にもなっている上海の黄浦江に病死の豚1万頭の死骸が不法投棄されたことや、北京に1日滞在するとPM2.5による大気汚染でタバコを21本吸ったのと同じになるということを自嘲的に揶揄したものだ。生活ゴミの量は1985年の4477万トンから2012年には1億7081トンに急激に増加し、2030年には5億トン前後に達するとの予測もある。 

「上海では豚汁がタダで、北京ではタバコが無料」の自嘲的揶揄が意味するものとは…。過剰生産を続けてきた中国が今支払う代償_3
大気汚染が広がる北京市中心部の空

2013年、中国国務院(中央政府)は『大気汚染防止行動計画』を発表した。

その内容は、2017年までに全国の都市では粒子状物質(PM10)の濃度を2012年比で10%以上下げ、大気優良日の日数を年々増加させる。さらに微小粒子状物質(PM2.5)の濃度を北京市、天津市、河北省で25%、長江デルタで20%、珠江デルタで15%前後にまで下げる。とくに北京市では微小粒子状物質の年平均濃度を1立方平方メートル当たり60マイクログラム前後に抑えるという目標も定めたものだ。

さらに、基幹産業の脱硫(有害作用を持つ硫黄化合物を除去)、脱硝(排気ガス中から窒素酸化物を除去)、除塵(空気中の細かな塵などを除去)に向けた施設の改築推進や、新エネルギー車の普及推進、燃料油品質の向上の加速などの対策も打ち出した。このほかにも2017年までに総エネルギー消費に占める石炭の割合を65%以下にする目標を掲げ、中央政府と各地方政府が目標責任書に調印し、年度ごとに評価した結果によって責任を厳しく追及するとした。