「何不自由ない」を通り越してわがままに育ててしまった父
修容疑者の父は、人格者としても近所で評判だった。
「元々、学校の先生だったこともあり、近隣からの信頼も厚いですね。みんなに頼み込まれて町内会長を20年以上も続けているし、空き缶や空き瓶といった資源ゴミを率先して拾い集めて、少しでも町内会の予算の足しになればと動いてくれています。近所の人はみんな親父さんに感謝していて、敬意も込めて“先生”と呼んでいます。奥さんもそんな親父さんにぴったりな厳格な方で、冠婚葬祭のときには丁寧に挨拶をしてくれたり、引っ越してきた人たちにも優しく町のことをいろいろと教えてくれるいい人でした。
10年以上前に奥さんが亡くなられて、一人暮らしになった親父さんは、何年か前からガンを患ってしまったので、修さんのいる札幌の病院によく通ってましたね。ただ最近は高齢を心配した修さんの勧めで地元の病院に変えたので、遠出もしてないみたいですね。それだけに今回の事件はショックですね。息子家族の起こした事件をきっかけに親父さんが身体を壊さないか心配です」
また、近くに住む女性は、修容疑者と父との間に子育てを巡る「すれ違い」があることを感じていた。
「お父さんは教師ということもあって、修さんのことも厳しく育て、勉強もかなりさせていたようでした。その甲斐あって、病院の先生になられたのはすごいことだと思います。ただその反動なのか、修さんは自分の娘の瑠奈さんにはとても甘かったみたいですよ。欲しがるものはなんでも買ってあげるし、何不自由ないを通り越してわがままに育ってしまうことをお父さんは心配していたようでした。
でもそれを意見しても修さんは聞く耳を持たないし、奥さんは修さんの方針に従う感じだからと、どこか諦めていた節はありました。お父さんが、修さん夫婦の娘の育て方を『生ぬるい溺愛』と表現していたとテレビニュースを見ましたけど、教育的なところでは考え方にすれ違いがあったんでしょうね。でも健診もかねて札幌に行けば修さん家族と毎回会っていたみたいだし、仲は良かったんだと思います」
“手負い”のエリート一家が選択した最凶のシナリオに、続きはあるのか。まだ結末は、見えてこない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班