ダメになったらすぐ次へ
綿矢 ところで、これから中国ではどんなことが流行りそうですか? 2022年に火が付きそうな流行がもしあれば知りたいです。
中島 流行を予測するのはちょっと難しいですね。中国は変化が激しいので、ワーッと人気になったと思ったら、すぐにワーッと引くということもよくあります。
綿矢 熱しやすく冷めやすいという感じですか?
中島 そうですね。ブランドなども、ワーッと売れてワーッとダメになることが多いのですが、でも中国の人はダメになっても全然めげなくて、すぐに次のブランドを立ち上げるんですよ(笑)。
綿矢 めげないんですね(笑)。
中島 変化に対して柔軟ですね。今やっている商売がうまくいかなくなったら、すぐやめて、全然違う業界に行く人も多いです。日本人は一つのことに対して、こだわりや執着が強いですよね。日本では、30年同じ仕事をしてきた人が、マスクが売れるからといって、明日からマスクを作ろうとは考えないと思いますが、中国ではそんなことはないです。ひらめいたら、即、実行です。
綿矢 生きる力というか、バイタリティがあるんですね。インフルエンサーはまだたくさんいるんですか?
中島 いっぱいいます。一部の儲けすぎた人は、先ほど話した「共同富裕」政策により摘発されましたが、ほとんどの人は問題ないので、そのままやっています。
インフルエンサーといえば、昨年の東京オリンピックで活躍した中国人選手の家まで行って、木に登って家の中のことを実況中継したり、なんていうこともありましたね。
綿矢 けっこう過激ですね!
中島 そこまでやってでも、注目を集めたいという人も中にはいます。
綿矢 なるほど。パパラッチ並ですね。