愛が止められなくなって、ダムが決壊

――『サスケ烈伝』を描く前と描いた後で、ご自身の中で何か変化はありましたか?

もう、NARUTO愛が止められなくなって、ダムが決壊したみたいな感じになっているんです。

『サスケ烈伝』を描く前は、やっぱり自分の作家性やオリジナリティのある絵柄を追求しなくちゃいけない、という気持ちがあって。無意識のうちに『NARUTO』を遠ざけていたんです。

逆に今まで自分が読んでなかったようなものから吸収しよう、と思っていた時期に「『サスケ烈伝』を描きませんか?」というお話が来て。そこから改めて『NARUTO』を読み始めたら、また愛が止められなくなっちゃって。

なんて言うんですか、『NARUTO』があったからここまで生きて来れた、と言っても過言じゃないくらいなんです。

「『NARUTO-ナルト-』があったからここまで生きて来れた」と言い切る『サスケ烈伝』の木村慎吾。岸本斉史へのほとばしる愛とリスペクトと切磋琢磨_5
『NARUTO-ナルト-サスケ烈伝 うちはの末裔と天球の星屑』下巻 第10話
すべての画像を見る

――今後の展望はいかがですか?

描きたい話はあって、担当編集さんと切磋琢磨して、コンペに通れればいいな、と。『サスケ烈伝』を描かせてもらって、「自分の好きに正直でいよう」とも思いました。

描く前は、変に頑張っていろいろなことに挑戦していたんですけど、今は「〇〇っぽくなっちゃうけど、それもいいかな」と。もちろん、変えてはいきたいんですけど。なんかあんまりうまく言えないんですけど、うん、そんな感じです。

#1はこちらから
#3はこちらから

取材・文/佐藤麻水