自分がキュレーターになる「セルフビルド方式」で
守備範囲を広げていく
また、選び抜かれた「大事な情報」の中には、もちろん自分に合わないものも含まれています。そして、こういうケースはどうしても「役に立つから我慢して読む」といったかたちになりがちです。
ワクワクするはずの「気に入ったものを読む」という行為が、イヤイヤやる「勉強」になってしまう。これでは続きません。
いっぽう、自ら大量の情報に触れて選ぶアプローチは、自分自身がキュレーターです。自分の興味や関心、志向性、好みにバッチリ合うものを選んでじっくり付き合っていくので、楽しみながら頭にいれることができます。
自分よりジャーナリストや書評家の方がカバーしている情報は広いかもしれませんが、習慣としてずっと続けていくことを考えれば「セルフビルド方式」の方がいいのです。
仕事や学業をしながら、さまざまなメディアの情報に目を通すのは大変だと思うかもしれません。しかし、このふるいにかける行為自体、多様な言葉に身をさらすことであり、読み方のトレーニングになるのです。
続けているうちにそれほど負担を感じなくなる。日頃から徒歩や自転車で移動するようにしていれば、勝手に体力がついてくるのと同じです。
最初はできる範囲で大丈夫です。たとえば新聞1紙と雑誌1誌から始めて、力がついてきたら経済紙に月刊誌、専門誌、と広げていく。対象が広がれば広がるほど「選抜組」の魅力はアップするわけで、自然とリーディングにも身が入るようになるでしょう。
また、この大量ブラウジングの途上には、スクラップしたい傑作記事に出会ったり、定期購読する雑誌を探したりといったささやかな楽しみもあります。
義務感でやっても続きません。習慣化するには、心を踊らせながら取り組めるような仕組みが大切です。
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