「たくさん触れてたくさん捨てる」

では、どうするか。
いったんブラウジングしてから、必要に応じてリーディングすればいいのです。

ブラウジングの基本方針は「たくさん触れてたくさん捨てる」です。つまり、新聞・雑誌・本・電子コンテンツなど、できるだけ大量の情報にアクセスし、ざっと目を通した上でそのほとんどを捨てる。そして「これは値打ちがある」といった上澄みだけにしっかり付き合っていくようにします。

要するに、ここで 紹介する読み方はリーディング前の「ふるい」です。

「きっと役に立つから我慢して読む」は無意味。楽しみながら読むためには「ざっと読む」と「ちゃんと読む」を使い分けて_2

ここで「わざわざ大量の情報に触れなくてもいいのでは?」と思う人も多いかもしれません。

もちろん「気鋭の学者の新刊」「仕事に役に立つビジネス誌」といった具合に、世間の評価の高いものだけをリーディングする手もあります。最近は「キュレーション」といって、ネットニュースやブログ・SNSの中からよくできたものを紹介してくれるサービスが定番化し、書籍の要約サイトも人気がある。しかし、私は「おまかせ」ではなく、面倒でも自分の頭で判断することを勧めます。

単純に、その方が身につくからです。世間で高評価を得たものや目利きが厳選したものだけを読むのは合理的ですが、結局のところ、自分ではない人のセレクションは「他人事」に過ぎないのです(当たり前のことですけれど)。