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裕は世間一般でいう『普通の子』だとずっと思っていたので…

ソープランドの個室での5月5日の犯行後、自らも腹を刺して重傷を負った今井容疑者は、回復後の13日に警視庁に逮捕された。取材班はその翌日、富岡市の実家で父親を直撃した。当初「もうすぐ警察の方から聴取が入るし、裕の東京での暮らしぶりについてはまったく知らないので」と頑なだったが、次第に神妙な面持ちで息子について語り出した。

以下はその一問一答である。

【吉原・老舗ソープ殺人事件】逮捕された警備会社男(32)の父親が告白!「『結婚する予定はないのか?』と聞いたら『オレには構わないでよ』って…」イジメもなく普通の子だとばかり‥「祖母の死が関係あるのか‥最後の会話は3年前です」_1
事件現場となったY(撮影・集英社オンライン)
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――最後に会った際に、裕さんは仕事の悩みや愚痴などを口にされていましたか?

今から4、5年前に会ったのが最後ですけど、別に仕事の悩みなどは聞いていませんでした。

――9年前に上京した後は連絡も途絶えがちだったのでしょうか?

裕から連絡が来ることもなかったので、「まぁ上手くやってるんだろう」と思って、こちらから連絡することもありませんでした。そもそも裕はスマホにLINEを入れていなかったので、連絡手段はGmailか電話しかなくて…。たまに帰省するときも、妻が裕に電話をかけて日時を決めるといった感じです。裕は男三人兄弟の末っ子なんですけど、兄二人ともほとんど連絡のやり取りはしてなかったと思います。

――お父様が最後に裕さんと連絡したのはいつ頃ですか。

ちょうどコロナが始まったあたりの3年前くらいだったと思います。もともと私がパソコンの自作組み立てが好きだったので、それを頼りに裕から「パソコン譲ってくれない?」とメールがきたんです。パソコンを郵送すると、次は「Wi-Fiが上手く繋がらないんだけど」と相談が来まして。それで5分くらい電話を繋ぎながら、裕にパソコンの設定方法について教えたのが、最後の会話でしたね。

――通っていた学校について教えてください。

地元の公立小中学校で、中学校の頃は剣道部に入っていて、部活漬けの毎日を送っていました。隣町にある県立高校に進学してからは帰宅部でしたね。高校は確かに進学校ではありませんが、裕は中学時代、そんなに成績は悪くなかったと思います。小学生の頃は妻に口うるさく「勉強しなさい」と言われていたこともあって。でも私は「行きたい学校に行けばいい」という方針なので、高校進学も本人の希望に任せていました。

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逮捕された今井容疑者(FNNより)

――高校卒業後は地元で就職されたそうですが、どんな仕事を?

すぐ近所に日産自動車の下請けの自動車部品製造工場がありまして、そこで車の部品をつくっていました。かなり大きな工場で、このあたりでは知らない人はいないでしょう。そこで2年ほど働いていました。

――小さいころはどんなお子さんでしたか?

学校や中学校の頃は、家族で夕飯を食べるときも、今日学校であったことを嬉しそうに話していました。家族仲もよくて。南北(下仁田)の方によくハイキングに行ってました。山に登ったり、川でヤマメを釣ったり、アウトドアな遊びが多かったです。

さすがに高校生にもなると、年頃ですから、だいぶ口数も減りましたけど、兄弟の中でも明るくておしゃべりな子でした。高校を卒業して工場で働くようになっても、「今日○○って仕事をしてさ」と普通に会話はしてました。