かつては活発な子どもだった

小中学校時代の同級生の保護者は、当時の木村容疑者についてこう語る。

「娘によると、木村くんは小学生の頃は、誰にでもちょっかい出してくるいわゆるおふざけキャラで、クラスでも活発な子どもだったと聞いています」

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小学生の頃の木村容疑者(知人提供)

小学校の卒業文集ではこんな風に輝かしい夢を語っていた。

〈将来の夢はパティシエか発明家です。もしパティシエになったらいろんなお菓子を作りたいです。食べた人が秘密にしておきたくなるお菓子をいっぱいつくりたいです(略)
もう一つの夢の発明家になったら、みんなが喜ぶロボットや新しい車とか作ったいです〉(原文ママ)

だが、中学校では周囲から孤立し、図書室にこもりがちだったという。ある同級生はこう証言した。

「木村くんは1年生の時にまわりから避けられてたようです。違う小学校から上がってきたクラスメイトと合わなくて、目をつけられてしまったと聞きました。とは言ってもそれはクラスだけの話で、廊下で同じ小学校の人に会ったときは挨拶とか軽い会話はしていたと思いますよ。避けられてはいたけど、暴力とか物を隠されたりといった“直接的ないじめ”でなく、空気みたいに扱われてた感じです。私も図書室で見かけたことあるんですけど、本が特別好きとかじゃなく、構ってくれる人がいないから本を読みにきてたんだと思います」

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小学生の頃は「車屋の社長」を志すこともあったという(当時の文集より)
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和歌山県警は4月17日、木村容疑者を送検した。移送中、木村容疑者は後部座席の中央に乗り、終始正面を見据えていた。

「木村容疑者は取り調べに対し、容疑を認めるかどうかも含め黙秘を続けているが、自宅からは火薬とみられる粉末や金属の管、工具などが見つかっていて、爆発物は自作した可能性が高い。また、定職に就いておらず、家に閉じこもる生活が続いていたようだ。自宅からはパソコンも押収されている」(社会部記者)

中学時代は図書室で静かに過ごし、大人になってからはガーデニングが好きな母親思いの青年が大胆な犯行に及んだ理由は何なのか。謎を埋めるピースは散らばったままだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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